子どもの国語力を「下げる親」「上げる親」の話し方 東大理三に3男1女を入れた佐藤ママの声かけ

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私は、子どもに何かをさせたいときには、その理由をわかりやすく説明してから、「だから、○○したほうがいいよ」と笑顔で言うことにしていました。理由を伝えると、子どもはそのことをしたほうがいいメリットについて考え、納得することができます。

反論できる子どもに育てる

このような声かけなら、子どもが「でも……」と、自分の意見を言いやすいからです。小さい頃から自分の意見を言えることは大事ですね。「○○しなさい」と命令していたら、反論もしづらくなります。また、親が一緒にできるようなことならば、「一緒に○○しようよ」と誘うような声かけもいいと思います。

「○○したほうがいいよ」「○○しようよ」と声をかけたときに、子どもが「やりたくない」とだけ言って、理由まで言わないときには、「どうしてやりたくないの?」と声をかけて、やりたくない理由を尋ねましょう。このように理由を聞いてもらえると、子どもも話しやすくなります。

やりたくない理由を聞き終わったら、親子で話し合うことが大切です。会話をすることによってお互いの考え方がわかり、譲歩するところは譲歩して、親子ともに納得することができるでしょう。このような言葉のやりとりの積み重ねによって、親子の良好な関係を構築することができるのです。

子育てでは、子どもが自分の意見を言える雰囲気になる声かけを親がすることが大事です。子どもが自分の意見を堂々と話すことは、後々、国語の記述問題で自分の意見を述べるときに役立つだけでなく、「はっきりと自分の意見を言える」ことは、強く生きていくための強力な武器になります。

佐藤 亮子 「東大理Ⅲに合格した3男1女」の母

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さとう りょうこ / Ryoko Sato

大分県出身。津田塾大学卒業。大分県内の私立高校で英語教師として勤務。結婚後、夫の勤務先の奈良県に移り、専業主婦に。長男、次男、三男、長女の4人の子どもを育てる。長男、次男、三男は灘中学・高等学校を経て、東京大学理科III類に進学。長女は洛南中学・高等学校を経て、東京大学理科III類に進学。現在、長男、次男、三男は医師として活躍。長女は東大医学部の学生。その育児法、教育法に注目が集まり、全国で講演を行う。『頭のいい子に育てる 3歳までに絶対やるべき幼児教育』(東洋経済新報社)ほか著書多数。

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