「積読しがちな人」が自分を責める必要がない理由 年齢を重ねることで「面白く読める」本がある

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本を薦めてもらうメリットとは?

加藤:ワタクシ図書館が好きなんですけど、図書館の司書さんはそういうことをレコメンドするのがお仕事なので、気楽に聞いてみるのも面白いかも。お金もかからないしね。

角田:加藤君は、司書さんみたいな人と仲良くなるのが昔から好きだよね。僕なんかは「自分で探します」と言っちゃうタイプだけど、たしかに司書さんとかと仲良くなるのはいいよね。

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加藤:相手が「薦めてほしい」と求めているものをそのまま渡すのはあまり面白くないとするなら、話の流れがわかったうえで、ちょっと外して「じゃあ、これどうですか」みたいに薦めてくれると嬉しいよね。

そういう、自分では気づけない選択肢を発見してくれる人は、本だったら司書さんやベテランの書店員の方だったり、本好きの友達であるとか、いろいろな人に訊けると思うんです。

角田:高校時代の僕にとって、「本好きの友達」とはまさに加藤君だったわけだけど、「この人、面白いなあ」と思ったのは、出会った当時に村上春樹を薦められたんです。で、その時に一緒に薦められたのが、漫画の『超人ロック』だったんですよ。

加藤:名作ですね。

角田:「村上春樹と『超人ロック』を同時に薦めるヤツ」というところにしびれたんだよね。

加藤:村上春樹さんに関して言うと、初めて読んだのは中2の時で、塾の国語のテストに出てきたんですよ。その時、文章に感激しちゃって、途中で手が止まってさ。そこからはテストに答えられなくなった……という出会い方をしたわけです。

角田:僕も同じ体験をしたことがある。遠藤周作の『海と毒薬』が問題文で出て、問題を解くよりもその先が気になっちゃった。

加藤:そういう名文というか、素敵なコンテンツが出てくるのって、テストとしてどうなんだろう(苦笑)。

角田:「受験生が答えたくなくなる試験」だったってことだけど、それもやっぱり文学の力だよね。

(本連載の過去記事はこちらからご覧になれます。次回は3月23日に更新予定です)

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角田 陽一郎 バラエティプロデューサー/文化資源学研究者

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かくた よういちろう / Yoichiro Kakuta

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者。東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビ入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社goomoを設立。2016年にTBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出など多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院博士課程にて文化資源学を研究中。著書:小説『AP』『最速で身につく世界史/日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』他多数。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。

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加藤 昌治 作家/広告会社勤務

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かとう・まさはる / MASAHARU KATO

作家・広告会社勤務。千葉県立千葉高等学校卒。1994年大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(CCCメディアハウス)、『発想法の使い方』(日経文庫)、『チームで考える「アイデア会議」考具応用編』(CCCメディアハウス)、『アイデアはどこからやってくるのか 考具基礎編』(CCCメディアハウス)などがある。

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