コミュ力に必要なのは「相手に期待しすぎない事」 人と向き合ううえで「間の取り方」はとても大切

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ジャーナリストの田原総一朗氏は自身の苦い経験から、コミュニケーション術を身に付けたそうです(撮影:坂本禎久)
取引先との盛り上がらない商談、同僚との疲れる会話……。会話やコミュニケーションがうまくいかず、ストレスを抱える人は多いでしょう。「そんなコミュニケーションの悩みを解決する方法がある」と言うのが、ジャーナリストの田原総一朗氏です。
田原氏は多くの政治家や起業家、専門家らと接するなかで、コミュニケーションにおいて大事なことを学んだと言います。それはいったい? 氏の新刊『コミュニケーションは正直が9割』をもとに、3回にわたって解説します。今回は2回目です(1回目の記事はこちら)。

私の仕事スタイルは、自分をさらけ出して、対象にとことんのめり込みます。ただ、そういうと私がいかにも熱血漢で、グイグイ前に出る人間だと思われるかもしれません。確かにドキュメンタリーの撮影現場や、討論の現場などではそのようにふるまうことも多いです。

でも、一方でまったく違う、もう一人の自分がいます。どこか非常に冷めている自分がいます。いろんなことに期待や希望を抱きつつ、同時にどこかであきらめてもいるという感じでしょうか。これまでの人生で期待を裏切られ、思いどおりにいかない経験が多かったこともあると思います。

田原氏が経験した若い頃の苦いできごと

まだ若かった頃、職場で癖の強いプロデューサーが上司になったことがありました。独裁型の人で、言うとおりにしないと許さない人でした。ある日、ディレクターたちが集まり、口々にそのプロデューサーを批判し、明日、全員で抗議しに行こうということになりました。

しかし次の日の朝、集合場所に行くと私以外、誰も来ていません。仕方がないから1人でその上司とやり合いました。実は、私自身はその上司から割と目をかけられていたので、そんなに不満はありませんでした。でも、ディレクター陣の総意を代表してかけ合ったのです。

最後は机を叩き合いながらの言い合いですよ。それで、結局、上司の怒りを買い、その部署から私だけが飛ばされてしまいました。もしかすると、私は仲間たちからハメられたのかもしれません。当時、私は自分が作ったドキュメンタリーが賞を獲ったりして、天狗になっていた部分がありました。私がこの部署を背負っているんだという自負がありました。

そんなイキがっていた私を疎ましく思った連中が、皆で示しを合わせたとしてもおかしくないでしょう。だって誰一人来ないのですから。

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