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スタバが「ネガティブ広告」に反撃しない理由 マクドナルドの攻撃をスルーした、スタバの真意

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  • 永井 孝尚 マーケティング戦略コンサルタント
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マクドナルドの比較広告を「スルー」したスタバ

当時、米国マクドナルドがスペシャルティコーヒー市場参入を表明。全米1万4000店で提供を開始し、1億ドルをかけたプロモーションを行うと発表された。

そしてプロモーションの一環として、スタバの本拠地であるシアトルで、「4ドルなんて馬鹿らしい。エスプレッソをどうぞ」という看板を100カ所に出したのだ。

ちなみに英語の原文は"Four bucks is dumb. now serving espresso."「Buck」とは1ドル紙幣のこと。4ドルを意味する"four bucks"と"StarBucks"を掛け合わせた、あからさまな挑発だ。

しかしスターバックスはこの広告には、直接の反論はいっさいしなかった。CEOのハワード・シュルツは、著書『スターバックス再生物語』(徳間書店)でその理由を語っている。

わたしたちはなんの抗議もしなかった。しかし、わたしは激怒していた。「攻撃に出なければならない」と私は言った。「喧嘩するのではなく、積極的に自らを定義し、声をあげ、会社の個性を表現したい」

なぜ反論しなかったのか? 消費者であるあなたがどのように感じるかを考えれば、わかるはずだ。

最近の国会でも、いかに日本をよくするかという議論をせずに、与党と野党が相変わらず相手の揚げ足取りに終始しているのを見て、「私たちの税金を使っているのだから、もっと有意義な議論をしてほしい」とうんざりしている人は多いだろう。

まったく同じだ。ライバル企業同士でネガティブキャンペーンにネガティブキャンペーンで仕返ししているのを見ても、「何やっているんだろうなぁ」と思うのではないだろうか。

ネガティブキャンペーンは社会に何の価値も生み出さない。現代の賢い消費者に足元を見透かされるだけだ。

ではスタバはどうしたか? スタバらしい方法で、消費者にメッセージを出そうと考えた。

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【スタバの秘策「ブランドスパークス」】

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