野球「独立リーグ」に経営者が続々と挑む背景事情 全国に30の球団、「淘汰の時代」に入りつつある

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この3人の経営者は、それぞれプロスポーツチームの経営で苦労しながら経験値を高めてきた。しかも進取の気質に富み、新たなビジネスの創出に意欲的だ。リーグをまたいでの交流、連携が新たな展開につながる可能性は大きいだろう。

2005年に四国に独立リーグが誕生して来年で17年、四国アイランドリーグplus、ルートインBCリーグなどに所属する独立リーグ球団は、経営の徹底的な合理化を図り、損益分岐点を下げて、地域密着型の営業、マーケティングを展開してここまでやってきた。今ではNPBとは異なるビジネスモデルを曲がりなりにも確立したといってよい。

「淘汰の時代」を迎える独立リーグ

しかしながら、将来性、発展性を考えたときに、既存の独立リーグにどんな「次のビジョン」があるのか、やや疑問があるのは否めないところだ。新規参入する独立リーグ球団は、既存リーグ、球団にとって大きな刺激となるはずだ。

さらに言えば、独立リーグは今後、「淘汰の時代」を迎えるそうだ。
現在、独立リーグ球団は全国に30もある。

四国アイランドリーグplus 4球団
ルートインBCリーグ 8球団
日本海オセアンリーグ 4球団
さわかみ関西独立リーグ 4球団
ヤマエ久野九州アジアリーグ 3球団
北海道フロンティアリーグ 3球団
北海道ベースボールリーグ 3球団

単独(琉球ブルーオーシャンズ)1球団

存立基盤も運営体制もさまざまではある。今後は、「人材輩出」「地元貢献」「新たなビジネス」など何らかの独自性、先進性を打ち出せない球団は淘汰される可能性もあるだろう。

【2022年2月22日11時32分 追記】記事初出時、独立リーグの球団数等に関する記述に誤りがあったため上記のように修正しました。

今オフの多くのトライアウトによって優秀な人材が多数独立リーグに入団した。来年以降、独立リーグの実力はさらに上がるはずだ。

コロナ禍で経営的に大きなダメージを受けたNPB球団は、今も独立リーグとさまざまな形で連携しているが、さらに結びつきを強める可能性はある。しかしそのときにパートナー足りうるのはしっかりしたビジョンと、それを実行できる経営手腕を持った球団に限られるだろう。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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