リクルートはエンジニアの楽園になれるか? 「営業×エンジニア」、異文化共存の道

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新しいユーザーに支持されるサービス、エンジニア主導で生み出すサービス、グローバルで通用する破壊的サービス。これら新しいものを生み出すためには、まったく新しい環境を作らなければいけない。まさにリクルートの組織・企業文化は変わる必要がある。

「IT化に向けた5つの施策」とは何か

2014年4月、リクルートは「IT化の推進に向けた5つの施策」を打ち出した。具体的には、「採用」「育成」「権限」「研究開発」「新規事業開発」の5つだ。

破壊的イノベーションを生み出すためには、ITの徹底強化が不可欠。これら5つの施策とITの強化はどうつながるのか。

(1)「採用」:1000人体制でIT分野を内製化

まずは、IT人材の積極「採用」だ。現在700人のIT系人材を、新卒100人・中途200人の採用を進め、2015年4月時点には1000人体制へと強化する、という。

2012年10月に買収した、世界最大級の求人検索サイトを運営するIndeed(インディード)社の採用面接担当者も面接に立ち合う。Indeedは、日本ではあまり知られていないが、米国ではグーグルやフェイスブックと人材獲得を争うような高い技術力を誇る企業だ。リクルートは、グーグルやフェイスブックでも採用される水準の人材を見極め、獲得しようとしているのだ。

米国にインターンシップで派遣された学生たち

「とにかくIT人材は足りない。プログラムコードを書くエンジニア、画面のUI(ユーザーインターフェイス)やUX(ユーザーエクスペリエンス)を担当するデザイナー、ウェブマーケティングの人材、データ解析をするエンジニア、インフラ周りのエンジニアの部隊。すべての職域で増員し、内製化の比率を上げていきたい」と今村氏は話す。

リクルートが、高度なプログラミング能力を持つエンジニアなどのIT人材を大量に採用し、自前での開発体制にこだわるのは、ネットの世界では“スピードと技術力”こそが価値を生むと考えているからだ。動きの速いスタートアップ勢を含め、グローバル規模での競争においては、競合を出し抜き最速でサービスを立ち上げることが不可欠。リクルートは、優秀なエンジニア主導でサービスを立ち上げる文化を持つネット企業と比べ、スピードの面で劣る。そのためIT人材の採用を急ごうとしている。

冒頭でも触れたが、リクルートが行ったインターンシップは度肝を抜く。

2014年9月1日から14日間にわたり、「GROWTH HACK IN US アメリカ横断インターンシップ」が実施された。選抜された学生12人が、米国のITの最先端をフル体験するというもの。

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