日本の住宅設備「デジタル化が進まない」根本原因 「スマートホーム」が本格普及しない理由とは

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「あれば便利かもしれないけど、別になくても困らない」というイメージを持たれがちなスマートホーム(写真:Fast&Slow/ PIXTA)

日本の住宅市場で20年以上前から注目されながら伸び悩んでいるのが「スマートホーム」だ。約10年サイクルでブームが訪れ、すでに多くの住宅会社や家電メーカーが商品化しているのだが、本格普及には至っていない。

コロナ禍で、世界に比べて日本社会のデジタル化が遅れていることが明らかになったが、この分野でも日本はアメリカや中国に比べて出遅れている。そんな「スマートホーム」が岸田文雄首相の目玉政策である「デジタル田園都市国家構想」のなかに盛り込まれた。

日本でもテレワークやネット通販が一気に普及し、マイナンバーカードを使った行政サービス、オンライン授業、遠隔診療も始まった。「住宅」が職場、行政、学校、病院・薬局、小売りなど、あらゆるところとつながるようになり、とくに地方での暮らしを便利で快適にするには「住宅」を起点に、さまざまな地域サービスの利用環境を、デジタル技術を活用して最適化していく必要があるからだ。

すでにスマートメーター(通信機能付き電力量計)の全世帯普及がほぼ完了し、エアコン、給湯器などの住設機器、テレビ、冷蔵庫などの家電製品とインターネットにつながる機器も増えている。はたして日本の「スマートホーム」は、快適で便利な暮らしを実現する生活基盤へとイノベーションできるのか。

スマートホームとはどのような住宅か

「スマートホーム」と聞いて、どのような住宅をイメージするだろうか。ICT(情報通信技術)を搭載した住宅は過去にいろんな名称で商品化されてきたが、これといったイメージがまだ確立していないのが現状だろう。

1990年代前半に日本でインターネットの商業サービスが開始されると、住宅内にネットワークを構築して異なるメーカーの家電製品や住宅設備機器を相互接続しようと、1997年に民間団体「エコーネットコンソーシアム」が設立され、標準通信規格「エコーネット」の開発がスタートする。2001年にIT国家戦略「e-Japan戦略」が始まると「IT住宅」の名称でブロードバンド(広帯域)インターネットの世帯普及が進み出した。

2011年には、地球温暖化など環境問題への対策としてエネルギー使用を効率化する「スマートハウス」が登場。HEMS(家庭向けエネルギーマネージメントシステム)搭載の「ホームコントローラー」を中核に、太陽光発電システム、「エコーネットライト」対応のエアコンや給湯器などを装備した住宅だ。

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