藤田晋「自分のタイミングで勝負しない」重要さ 「今すぐ勝負」の焦りが失敗に繋がるケースも
このように麻雀を「自分で打つ」だけでなく、対戦を見て楽しむ「見る雀」も、大きなトレンドになってきています。その証拠に、「Mリーグ」ではパブリックビューイングが非常に盛り上がります。信じ難いかもしれませんが、コロナ以前は約1000人を収容できる会場で、1人8500円のチケットが瞬く間に完売していました。
「スマホで誰でも無料で見られるのに?」と不思議に思う方もいるでしょう。皆で麻雀を観戦するのは、それほどエキサイティングで面白いのです。
もちろん、選手たちは観客たちと別の会場で試合をしています。観客たちには全員の手牌が見えているため、大興奮。贔屓の選手が当たり牌(上がりを宣言できる牌)をつかむと声が上がり、応援しているチームが逆転しそうになるとサポーター同士でハイタッチを交わします。最も静かなのは、打っている選手たちかもしれません(笑)。
また、一流の選手になればなるほど、ポーカーフェイスで打ち続けるため、サポーターの熱さとのギャップがまた面白いのです。
ネットは「リアルを侵食」している
振り返ると、2000年代半ばは「ネットとリアルの融合」とよく言われたものでした。それから10年以上が経ち、ネットは仮想空間で完結せず、リアルな世界を侵食している印象があります。
たとえばネットでMリーグを知り、ファンになってくれた人は、SNSを通じて同好の士とつながるだけではありません。オフライン(ネット外)でのリアルイベントでの交流も盛んなのです。今、進みつつある「ネットとリアルの融合」の新しい素敵な形を、麻雀が提示できたような気がしています。
実は、このような「麻雀を見て楽しむこと」の可能性は、ABEMAの立ち上げ前から感じていました。以前から、ドワンゴの「ニコニコ生放送」などで麻雀チャンネルを開設して放送する人たちや、そのファンが増えていたからです。ただし、当時は通信環境がよろしくなく、画質やクオリティに問題がありました。
その後、スマホやWi-Fiの普及など環境面での変化が進んだことで、ABEMAが高画質で高品質な麻雀番組を生み出せたというわけです。この参入時期はベストでした。
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