体を温める食材の代表格がショウガですが、ほかにも土の中で育つ根菜類や、イモ類も温める効果があります。スープや煮込み料理などで加熱して食することで、より内臓が内側から温められ、冷え改善が期待できます。
温かい料理や飲み物に〝とろみ〟をつけるのも、胃腸を温めるのには有効です。とろみというと片栗粉を思い浮かべますが、漢方的にみたおすすめのとろみは、葛粉です。風邪に効く漢方薬としておなじみの葛根湯の構成生薬の1つです。
やや高価なのが難点ですが、水で溶いて餡かけにするほか、すったショウガを葛湯に入れた生姜湯などは保温効果が高く、温かさが胃腸にいつまでも残ってくれます。
インドや中国のスパイスが体を温める
それから、内臓を温めるものとして私がおすすめしたいのは、五香粉やカレー粉などのスパイスです。
五香粉はその名の通り、5種類のスパイスをミックスしたもので、花椒(かしょう)、小茴香(しょうういきょう)、八角、丁子(ちょうし)、肉桂(にっけい)と、すべて体を温める働きのある香辛料で構成されていて、冷え腹のためのスパイスといっても過言ではありません。カレー粉もクミン、コリアンダー、ターメリックなどの薬効のある生薬で構成されていて、お腹を温めて停滞した気を動かします。
カレー粉、五香粉に共通のおすすめの摂り方は、お粥に入れる、です。特に、冷えて胃腸の調子が悪いときなどは食事を作るのも面倒でしょう。そんなときは、レトルトのお粥を温めて、カレー粉や五香粉を一振りするだけで、食欲が湧いてくることがあります。
ほかに、カレー粉は炒め物やスープ、チャーハンなどに入れてもよく、五香粉は炒め物や飲み物と相性が抜群です。ミルクティーに一振りすると、ピリッとしたチャイになり、体だけでなく、心もふわっと温まります。
最後に、温める性質の食材、冷やす性質の食材を紹介しておきます。今の時期、スーパーなどで買い物をする際の参考にしてください。
ショウガ、ネギ、胡椒、カボチャ、レンコン、カリフラワー、にんじん、ごぼう、かぶ、やまいも、鮭、カツオ、サバ、ラム肉、牛肉、味噌、黒砂糖など
夏野菜(トマト、きゅうり、なす、ゴーヤ、レタス、トマト)、南国の果物(バナナ、パイナップル、マンゴー、オレンジなど)、ビール、緑茶、コーヒー、ウーロン茶、白砂糖、小麦粉製品(パン、パスタなど)、牛乳、豆乳など
冷やす性質の食べ物は過剰摂取を控えたほうがいいですが、もし摂られる場合は、調理法を工夫するとよいでしょう。
同じ野菜でも冷蔵庫から出したばかりのものを、冷たいドレッシングをかけて食べれば、かなり体を冷やします。一方で、蒸したり煮たりして火を加えれば、冷やす性質が緩和されます。また、温める性質の食材や薬味、スパイスと組み合わせてもよいと思います。
刺身は冷やす性質を持ちますが、温める作用や解毒作用のあるシソやワサビといった薬味と組み合わせることによって、性質が緩和されます。寿司に添えられているガリも同様に、ショウガの胃を温める作用が消化を助けてくれます。
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