ゴルゴ松本、運命変わった「タカさんのある一言」 突然、目の前に浮かんで見えた「命」誕生秘話

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TIM結成や、漢字ギャグ「あっ、命!」の誕生秘話などゴルゴ松本さんの新著からお届けします(写真:Mizkit/PIXTA)
2011年から『「命」の授業』と題し、少年院の子どもたちに向けて講演を行うボランティア活動をしているTIMのゴルゴ松本さん。その活動について、「『あっ、命!』という漢字ギャグをやり始めた時点で決まっていたのではないかと思っています。いや、芸人としてテレビに出られるようになったことさえ、このためだったのではないかと思うほどに楽しく、やりがいを感じています」と語るほど。活動の原点ともいえる「あっ、命!」の誕生秘話やTIM結成についてゴルゴ松本さんの新著『「命」の相談室-僕が10年間少年院に通って考えたこと』から一部抜粋し再構成のうえお届けします。

芸能界入りのきっかけ

野球漬けの生活を終えた高校3年の秋、僕は無性に芸能界に入りたくなりました。テレビを見ていて、“あっち側”の人間になりたいなと。父親も担任の先生も驚いていました。「おまえ、もともとは大学に行って教師になるって言ってたよな」「何を夢みたいなことを考えているんだ。現実を見ろ」。

みんな否定の言葉を返してくるけれど、僕はつねに「ポジティブ」です。心の中でつぶやいていました、「やってみたいんだ」「やってみなきゃ、結果はわかんないよ」。まわりを納得させるために一応、受験はしましたが、僕にはその気もやる気もまったくない。そのとき、未来の僕がささやいていたのかもしれません、「おまえは大学に行かなくてもいいんだよ」……。やはり(?)受験は不合格と相成りました。

埼玉から東京に出て役者修行を始めました。とくに役者になりたかったわけでもなく、芸能界に入って売れたい! ただそれだけ。親や先生が心配するはずです。けれど、僕にはその動機で十分でした。

売れない役者をやっていた22歳のとき、たまたまよしだアパートの隣の部屋に越してきたのがレッド吉田でした。あちらは京都出身、僕より2つ年上の24歳。お互いに野球で甲子園に行った経験があり、何より芸能界で一旗揚げたいという共通の夢をもっていたので、すぐに意気投合。

似たような境遇で出会った2人ですが、役者をやっても芽が出るでもなく、まったく食えません。家賃3万2000円のアパートに住み、アルバイトで日々の生活費を稼ぎながら、それでも苦しいとは思いませんでした。先にもお話ししたとおり、高校の野球部時代のつらさを思えばへっちゃら、別にどうってことはなかったのです。

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