コロナ禍でも「日々を豊かに」できる感性の磨き方 細かい変化に気づく「観察力」を身につけよう
正しい配置が感覚的に馴染んでくると、たとえ小さなズレでも、人間は感覚的に「快」「不快」を覚えます。この繊細な「快」「不快」の感覚を知った、ある出来事があります。
以前、茶道のお稽古で私が道具を置いて、お点前を終わろうとしたときに、茶道の先生に「ちょっとだけ心地がよくないのでは?」と呼び止められました。そう言われた私は、ほんの3ミリほど、蓋置きの位置を左に動かしてみました。すると、まるでさざ波が凪になるように、すべての道具が心地よく空間に「ぴたっ」と収まった感覚を得たのです。
心地よさには必ず理由があります。そして、その調和の乱れに気づくには、ふだんから意識を向け、心地よい状態を意識的に保っていなくてはいけません。調和がとれたモノの配置を感じることで、調和が乱れたときに違和感を持つことができます。身の回りにあるモノにも定位置を決めてあげることで、そのわずかな変化にも気づく観察力が養われていくでしょう。
これらの「観察する習慣」を身につけると、世界の情報量は一気に増えます。日々のあらゆることを「意識的」に感じられるようになり、小さな変化や違和感、魅力に気がつける感受性が高まっていくのです。これが、感性を養っていくための第一歩となります。
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