かっぱ寿司が迷走、どうなる「3度目の身売り」 経営権をめぐり思惑が激しく衝突
カッパの経営権をめぐるゴタゴタは、この10年で3度目となる。その背後に見え隠れするのは、同社の創業家である徳山一族の存在だ。
競争激化によりカッパは既存店が不振に陥り、2005年度に16億円の最終赤字に転落。創業家は「もはや社内の連中には任せていられない」(当時を知るカッパ関係者)と提携先を模索し、2007年3月に徳山家の資産管理会社が保有する全株をゼンショーホールディングスに売却した。
ゼンショーは当時、あきんどスシローの株式も取得し、2社の統合により回転ずし業界のトップに立つ野望を持っていた。だが、現場の衝突が激化し、統合計画は停滞。結局、カッパの創業家が株を買い戻すことになり、ゼンショーの夢は1年でついえた。
前年度は再び大赤字に
その後、100円ずしブームの追い風を受け、カッパの業績は2009年度に21億円の最終黒字にまで回復した。が、競合他社の出店攻勢を受け、東日本大震災後は再び苦境に陥る。2013年度は不採算店の大量閉鎖に伴い、71億円の最終赤字に転落した。
そうした中で浮上したのが、元気寿司の筆頭株主で卸側からすし再編の絵を描いた神明との提携だ。昨年4月には徳山一族が保有するカッパ株を神明に売却。同年11月には神明がカッパ株を買い増し、元気との経営統合を前提にした再編案をブチ上げた。