「ミステリと言う勿れ」毎週欠かさず見たくなる訳 普通のミステリーとも刑事ものともちょっと違う

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霧のように先がぼんやりとして掴み所がないながら、すでに第3話の終盤、柄本佑以降、続々登場するゲストキャラクターが紹介されていて、これからは毎回1話完結させながら、ガロとの再会譚に向かっていくのだろうなあとなんとなく想像はできる。なかなか手のこんだ構成だが、これは原作を踏襲している。優れた原作をヘタにいじらずできるだけ寄せてドラマ化する。それは大変賢明なやり方である。

本来、連続ドラマは1話完結ものが好まれるとされる。1話完結ものは、誰もがいつでも入ってこられると同時に、誰もがいつでも抜けることも可能である。それだと世帯視聴率が稼げたとしても番組の熱狂的なファンがつかない。その点『ミステリ』は後者の可能性をもっている。これはNetflix的と言っていいかもしれない。

Netflixのドラマは各話の終わり、エンドクレジットを意識的に「見る」にしないとそのまま次の話がはじまってしまう。そのためベルトコンベア状態でどんどん次の回を見てしまうのだ。というシステム的なこともあるし、各話の終わり方が次回を見たくなるようにもできている。続きが気になる感情と流れるように次回につなぐシステムが絶妙で、気づいたら何時間も見て、いわゆる“ネトフリ廃人”化してしまう。

「1話完結もの好き」も「連続もの好き」も満足

本来、連続ドラマとはNetflixドラマのように続きが気になって待ちきれないものだった。それがいつの間にか1話完結のドラマが好まれるようになった。なかには倍速で見たり、早送りして見たりする人たちも増えている。みんな時間的余裕がないのだ。お手軽な娯楽でいい、手短に内容を知ることができればそれでいいという感じなのも仕方ない。その一方で、じっくり味わいたい人もいる。

『ミステリ』は1話完結ものが好きな人も、凝った連続ものが好きな人、その両者を満足させることができる。最初に、物語の終盤――整とガロとの決着があると宣言してあるので、それを期待できる。それまではすべてが1話完結とはいかなくても個々のエピソードを楽しむこともできる。第4話は1話完結ものの形式で、かつ、原作にもあった坂元裕二のヒットドラマ『カルテット』のセリフを引用した会話を使用して、原作ファンも『カルテット』ファンもSNSで盛り上がっていた。

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