「ミステリと言う勿れ」毎週欠かさず見たくなる訳 普通のミステリーとも刑事ものともちょっと違う

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(C)田村由美/小学館(C)フジテレビジョン

違う味わいをさらに強めたのは第3話の中盤以降だ。主人公・整よりも、第2、3話のキーマンである永山瑛太演じる謎めいた人物(犬堂ガロ)を中心に話が進みはじめるのである。まばたきしている間に違うドラマがはじまったのかと思うような変わりようで驚いた視聴者も多いことだろう。

いったい私は何を見せられているのかと思うほどにガロ中心のエピソードはムードが違っていた。主人公・整はどこ行った? いきなり主人公交代? それはネットでも話題になっていた。だがそれは整が第1話で言うところの、真実は人の数だけあり「違う視点」で見ると印象がずいぶんと違うことが浮かび上がってくるもので、それをセリフだけではなく別の登場人物の視点によって実践して見せるという真摯な姿勢とも言えるだろう。

そんなふうに好意的に捉えたとはいえさすがに斬新ではあったが、永山瑛太には華がありひき込まれてしまう。しかも永山瑛太が一瞬彼とはわからないビジュアルをしていたことにも挑戦的なものを感じた。

毎回欠かさず見なければ振り落とされる?

問題の永山演じる犬堂ガロはどうやらゆくゆく整ともっと深く関わってくるようだ。天然パーマの整と直毛サラサラのガロ。見た目は全然違うが、物事を冷静に見るふたりはどこか繋がっている。整の長い長いおしゃべりの後、再び僕らは出会うというような(大意)意味深な言葉を吐いてガロのエピソードはいったん終わる。1話完結のミステリーではなく、整とガロの物語という太い軸があるのだと思うと、これは毎回欠かさず見なければと思ってしまう。そうしないといつ何時、何が起こるかわからず振り落とされてしまいそうだ。

ところが第4話(エピソード3)では何事もなかったように整のターンに戻る。今度は爆弾魔(柄本佑)と整の攻防。ガロと何か深い関係性を感じさせた整だったが柄本佑演じる犯人とも心を通わせていく。あれ? ガロは? 整は恋人も友人もいないことが本当は寂しくてわかりあえる人を求めているのだろうか。もしかしてこれは整の心の旅?

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