「経費で落ちる領収書」「落ちない領収書」の違い 「相手の印鑑がなくてはダメ」というのは誤解

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事業に関するものをインターネットで購入し、取引をすべてメールで済ませるため、紙の領収書やレシートなどがない場面がよくあると思います。

この場合でも、メールの記録は、領収書の代わりになります。電子メールに、領収書と同じ事項(日時、金額、商品名、宛名、領収したものの氏名など)が書き込まれていれば、立派に領収書の代わりになるのです。

メールというのは、お互いのパソコンに記録が残りサーバーにも記録が残るものなので、証拠としての能力も高いのです。払ったかどうかの証拠としても、十分に使えます。メールを印刷すれば、それが経費の証拠書類となりますし、税務署に見せるときにも、 メールを打ち出したものを見せればいいのです。

メールの領収書には印紙税はかからない

メールを領収書の代わりに使う場合、印紙税は払わなくていいのでしょうか。

印紙税は払わなくて大丈夫です。印紙税は書類に対してかかる税金なので、メールにはかからないのです。だからメールの領収書は印紙税の節約にもなります。

もしメールを紙に打ち出しても印紙税はかかりません。打ち出した紙には相手先の印鑑が押していないので、印紙税法のうえでの領収書とはされないのです。印紙税をなるべく払わなくていいように、今後はメールで領収書を発行するべきかもしれません。

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事業の光熱費などの支払いをクレジットカードで行うことも、昨今では多々あることと思います。その際は、領収書などはもらっていないとして、改めて領収書をもらう必要はありません。昨今は、すっかりカード社会になってしまいました。多くの社会人は、2、3枚はクレジットカードを持っているものです。手元に現金が少ないとき、カードで支払いをする人は多いでしょう。

もし領収書をもらっていなかった場合、後から送られてくるクレジットカードの明細書を領収書として使えばいいのです。クレジットカードというのは、使用したときには細かい明細書が送られてきますので、領収書の要件はすべて満たしています。それをとっておけば領収書としての要件は十分満たしているのです。

またクレジットカードで事業に必要なものを買ったとき、クレジットカードの手数料や利子も払っている場合があります。この手数料や利子も当然、事業の経費で落とすことができます。

大村 大次郎 元国税調査官

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おおむら おおじろう / Ojiro Omura

国税局に10年間、主に法人税担当調査官として勤務。退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとなる。単行本執筆、雑誌寄稿、ラジオ出演、『マルサ!!』(フジテレビ)や『ナサケの女』(テレビ朝日)の監修等で活躍している。ベストセラーとなった『あらゆる領収書は経費で落とせる』をはじめ、税金・会計関連の著書多数。一方、学生のころよりお金や経済の歴史を研究し、別のペンネームでこれまでに30冊を超える著作を発表している。『お金の流れでわかる世界の歴史』は「大村大次郎」の名前で刊行する初めての歴史関連書である。近著に『税務署対策 最強の教科書』『「土地と財産」で読み解く日本史』。

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