普遍的な解ではなく多様性こそ尊重すべし--『カイシャ維新』を書いた冨山和彦氏(経営共創基盤(IGPI)CEO)に聞く

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--短期指向になりがちですね。

研究開発が典型であり、インフラ投資など、本質的に「寝てる期間」が長くなるものについては、回避的な行動を取りがちだ。それは宿命的に動機づけられる。そこに構造的な欠陥がある。

--市場の失敗を抑え、長期投資ができるようにするには?

それには政府が出るしかない。ステートキャピタリズムが出てくる余地がある。長期性のリスク投資を担えるのは、国か、自己勘定を持つ大金持ち。他人からおカネを預かっているエージェントには無理だ。

--日本のマーケットも変わりましたか。

東京証券取引所が頑張っても、証券会社や、金融規制を作っている金融庁がついてこないとダメだ。むしろ最近、逆の方向に行く気配を感じる。

(聞き手:塚田紀史 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2010年10月2日号)

とやま・かずひこ
オムロン、ぴあの社外取締役、朝日新聞社社外監査役を兼務。1960年生まれ。東京大学法学部卒、スタンフォード大学経営学修士(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、コーポレイトディレクション社長を経て、2003年産業再生機構設立に参画しCOOに就任。解散後、IGPIを設立。

『カイシャ維新』 朝日新聞出版 1785円 261ページ

  

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