いったい、介護費用は月にいくらかかるか?

在宅、遠距離、施設入所でシミュレーション

バリアフリーで一般的な賃貸住宅より住みやすいと、最近注目されているのがサービス付き高齢者向け住宅。常駐のスタッフによる見守りや生活相談が受けられる。それ以外のサービスは、在宅と同様、個別に契約する。一時金はないところが多く、月額10万~25万円。食費は利用した分だけ別払いが多い。ここも施設によっては介護度が高くなると住み続けられない。

■ケース2 母(要介護3)を都内の自宅で介護
<介護保険の支給限度内(1割負担)2万6300円>
月~金 身体介護(着替えや排泄の介助、デイサービスに出かける準備)
月・木 デイサービス(レクリエーション、入浴も)
火・水・金 身体介護や訪問看護(水分補給や排泄介助、血圧や持病チェックなど)
<介護保険の支給限度を超える>
サービス(全額自己負担)5万600円
平日夜間 身体介護(夕食・排泄の介助や薬の投与)。家族の帰宅が遅くなっても安心
【合計】7万6900円
さらに、週末1泊のショートステイ(1万2千円/回×4)を入れると……
【合計】12万4900円

話し合いを「見える化」

重度でも住み続けられるのは介護付き有料老人ホーム。費用は入居金と月額使用料(居住費・水道光熱費・食費)に介護度に応じた介護保険の自己負担分が加わる。「MY介護の広場」のサイトの試算では、職員の配置が手厚く居室も広い高級タイプは、入居費2千万円、月額32万円。中級タイプで入居費750万円、月額25万円程度。普及タイプだと入居金150万円、月額14万円弱。入居金ゼロの施設も増えているが、その分月額料金が高いケースもある。

全国的に急増しているので、選択肢は多い。施設入居の費用捻出のため、マイホーム借り上げ制度を利用する手もある。

介護費用は「親に出してもらうのが基本」(村松さん)。大事なのは、介護が必要になる前に、親の懐事情と、どんな介護を希望するかを聞いておくこと。介護が始まった後では、本人の判断力が鈍ったり、お金を取られると思い、出し渋ることもある。財産を狙っていると誤解されけんかにならないように、「資産全部ではなく、介護費用に限ってどの程度賄えるかを知りたい」と伝えるのがコツだ。最初は、通帳・カードをまとめておいてもらう程度でもいい。保険の特約も見て、月々いくらまでなら出せるか確認し、話し合ったことはエンディングノートなどに「見える化」しておく。

そして介護が現実となった時には、「仕事は絶対に辞めないこと」(村松さん)。介護は永遠ではない。親を支えられるのは、自分の生活設計ができてこそ。子どもが犠牲になるような介護は親も望んでいない。

■ケース3 父(要介護5)を仙台の介護付き、有料老人ホームで介護
入居一時金 750万円
月額利用料 24万5千円(年額294万円)

(AERA編集部:石臥薫子)

※AERA 2014年10月20日号

 

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