「苦手」を避け続けている試験バカへの処方箋 “目線”を意識すれば応用力が身につく

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「何それ」レベルの場合、まずは基本事項を覚えるほかないです。この場合はいかに効率よく覚えるか、という点が問題になります。

ただ、ご質問者様の場合は、3年以上も勉強しているのですから、さすがに知識はある程度持っている②の「何だったっけなぁ」レベルであると推測できます。断片的な知識にとどまるレベルなので、出される問題によって点数が大きく上下することになりますね。

そこで、こうしたケースで理解を促進するのに有効な方法を一つご紹介しましょう。それは「目線を意識する」ということです。

「誰目線だよ?」という話

勉強以外の日常でも、「上から目線」、「顧客目線」など、日常的に目線という言葉は使われています。SNSの投稿などでも、「誰目線だよ!?」的な突っ込みのコメントがあったりしますよね。「目線」によって物事の見え方、とらえ方がまったく異なるからこのように使われるのです。勉強でも、「目線」を意識することで理解が深まります。

私の例で言うと、司法試験を勉強していた際、私は民法が圧倒的に「苦手」でした。とにかく範囲が広い。分野同士のつながりが強い。断片的な知識が身についていても、問題になるとなかなか応用できない、というレベルで停滞していました。見たことあるような問題が出ればそこそこ答えられるが、未知の問題になると完敗。「見たことあるなぁ」ならまだいい方で「何それ?」状態になることもしばしば。いわゆる「応用力がない」状態でした。

答案を採点してもらっても、「解答の方向性が違いすぎて点数のつけようがない」という趣旨のことを書かれ、揚げ句ほぼ0点なのに「まだここから挽回可能です」と明らかに気休めとしか思えない励ましのコメントまでいただき、さらに落ち込むこともありました。

しかし、ある時、合格者の方に「民法なんて簡単だ。要するに『金払え』、『物よこせ』、『どけ』くらいしか要求はないんだから」、と教えてもらいました。このアドバイスが、私にとってのブレイクスルーとなったのです。

要は、問題文をなんとなく読むのではなく、売主や買主といった「当事者目線」で読め、ということです。確かにそう考えると、民法って「金払え」、「物よこせ」、「どけ」くらいしか要求はないんですね(「離婚させろ」とか切ないものも中にはありますが……)。民法に限らず法律というのは、そうした生の要求をどうやって条文や判例で理論構成するかに過ぎないと気づいたのです。

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