新型ノア/ヴォクシー「このデザイン」で出た理由 賛否あっても売れる?巨大グリルのインパクト

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4シリーズは、4ドアセダンやツーリングなどがある「3シリーズ」のクーペ/カブリオレ版で、かつて「3シリーズクーペ/カブリオレ」と呼ばれていたモデルだ。

2020年10月に国内で発売された現行4シリーズは、従来はバンパーの上側だけで完結していたBMWの象徴であるキドニーグリルを下まで伸ばしたことで、否定的な意見がかなり多く出ていたモデルだ。

BMW「4シリーズクーペ」(写真:BMW Japan)

筆者は、この造形はBMWのブランドイメージにそぐわず、サイドやリアとの整合性も感じなかったので、他車に持ち点の10点を配分した。クーペではトヨタ「GR86」/スバル「BRZ」のデザインのほうが魅力的だと思った。

ところが開票の結果は上記のように、4シリーズが最高得点だった。選考委員の配点と理由は日本カー・オブ・ザ・イヤーのオフィシャルサイトにあるとおりで、持ち点の10点をすべて4シリーズに投じる人も多かった。

よって新型ノア/ヴォクシーの顔つきも、プラス方向に評価される記事が出てくるのではないかと予想している。

「グッドデザイン賞」審査委員の経験から

筆者は、デザインは好き嫌いだけで判断するものではないと考えている。

これまで7回「グッドデザイン賞」の審査委員を務め、国内外の膨大なモノやコトの中から、よいデザインの選定に力を注いできた経験があるからだ。

さらにモビリティ全体についていえば、近年は社会との調和がこれまで以上に重視されている。環境性能や安全性能は代表例だが、デザインも例外ではない。

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たしかに、乗用車は個人の趣味嗜好を反映する商品である。新型ノア/ヴォクシーはこの面を追求したデザインだといえるが、クルマは都市や郊外の風景の中を走るわけで、景観的な要素も考えるべきであろう。

「素敵な暮らし」をグランドコンセプトにしたステップワゴンからは、そんなメッセージも伝わってくる。

どのミニバンがどれだけ売れるか。それによって日本の景色が変わってくるといっていい。だからこそ、このジャンルの購入を検討しているユーザーは、デザインにもこだわって選んでほしいと思っている。

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森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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