新型は先代のマイナーチェンジ前後のモチーフを合体させたともいえるが、グリルを極限まで拡大した結果、ヘッドランプをその中に収めるまでになった。ニュースリリースでは、この造形を「先鋭かつ独創的」と表現している。
一連の進化に、ひとまわり大きなミニバンである「アルファード」「ヴェルファイア」人気の影響があったことは間違いないだろう。
トヨタの販売チャネル一本化の影響で、近年ヴェルファイアは大幅にラインナップを絞っているが、アルファードは2021年の新車乗用車登録台数で第4位(自販連発表、軽自動車を除く)と、ミニバン最上位である。
その結果、かつてライバル車として販売されていたホンダ「エリシオン」は姿を消し、日産「エルグランド」も、ヴェルファイアとともに2021年のランキングでは50位以内に入らず、アルファードのひとり勝ち状態になっている。
サイド&リアもアルファードに似ている
一方、1クラス下のミニバンではヴォクシーを日産「セレナ」が追い、ノアとステップワゴンがほぼ同じという構図になっている。このカテゴリーでも同じようなデザインを提案すれば、圧倒的なリーダーになれると考えたのかもしれない。
そう思う理由として、フロントまわりのみならずサイドやリアも、アルファードに似ていることがある。
新型ノア/ヴォクシーは、すべてのグレードが全幅1.7mを超えており、3ナンバーになった。このカテゴリーのミニバンを「5ナンバー、2リッタークラス」と呼ぶことが多かったが、新型にこのフレーズは通用しないことになる。
その理由について、トヨタでは「新しいクルマづくりTNGAに基づく新世代プラットフォームを活用したため」としているが、デザイン面では箱からの脱却が可能になった。ボディサイドは、前後のフェンダーを強調する造形が可能になり、リアまわりはアルファードに似た、鳥が羽を広げたような型のコンビランプを採用している。
発表日が、東京オートサロンの開幕前日だったことにも注目している。
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