発表・発売となった1月13日に記者発表会のような場は設けられず、1月14日からの東京オートサロンで、報道関係者や一般ユーザー向けにトヨタ系カスタムブランド「モデリスタ」がカスタマイズした新型を公開した。
日本最大級のカスタムカーの祭典である東京オートサロンは、来場経験者であれば理解していると思うが、ノーマルよりも派手で目立つ展示車が多い。そもそもカスタムには自己主張も含まれており、地味では映えない。
その前日に新型を発表したというタイミングは、偶然ではないはずだ。カスタムカー同様、クルマは自己主張のアイテムと考え、存在感あるデザインを好むユーザーをターゲットにしていることが考えられる。
3割の「ナチュラル派」を大切にしたホンダ
対するステップワゴンは、ミニバン購入意思のあるユーザーをホンダが調査したところ、ナチュラルなスタイリングを望む人も3割程度いたことから、シンプルかつクリーンな「AIR(エアー)」シリーズを新たに設定した。
つまり、残りの7割はナチュラルなスタイリングを望んでいないことになる。もちろん、すべてがアンチナチュラルという考えではないだろう。「わからない」「どちらでもいい」というサイレントマジョリティーもいるはずだ。
実際にミニバン選びでは、価格や燃費、使い勝手などを優先し、「デザインはあまり気にしない」というユーザーもいるという。トヨタはそのあたりまで考えて、新型ノア/ヴォクシーをこのように仕立てたのかもしれない。インパクトのある形のほうが、興味を抱かせるのに効果的だからだ。
さらにモータージャーナリストの中にも、新型ノア/ヴォクシーのような派手で目立つ顔を支持する人はいる。それを立証したのが、筆者も選考委員を務めた「2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー」だった。
その年に発売された新車の中で、もっとも秀でた内外装デザインを持つクルマに送られる「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」を、BMW「4シリーズ」が受賞したからだ。
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