悪質広告もある「捨て看板」8割が「不動産」の驚愕 ルールや規制で嘘をつけない仕組みづくりも

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とはいえ、ほとんどの不動産会社はルールを守って不動産広告を掲載している。人の目につくポータルサイトや自社メディアなどで、ルール違反をすることはあまり考えられない。むしろ、人の目につきづらい場所の不動産広告こそ、注意が必要だ。

例えば、東京都では毎年「捨て看板等の共同除却キャンペーン」を実施している。捨て看板とは電柱の張り紙や電柱などに括り付けた広告旗、立て看板などをいう。張り付けたまま回収しない、つまり捨てた看板ということだ。

自治体の多くは屋外広告物に関する禁止条例を設けているので、捨て看板の大半は無許可の違法広告だ。東京都では特にこうした広告が多いので、除却をしているというわけだ。その中でも最も多く除却されているのは、不動産業の広告。2021年度で7区4市に実施した結果を見ると、不動産業で1502枚、実に82.0%を占めた。

悪質な広告例

では、筆者が見た最も悪質な電柱の不動産広告を紹介しよう。

悪質な電柱広告(筆者撮影)

「マンション価格より断然安い」「資産価値大」「早い者勝ち」など、根拠なくあおっている文言が並ぶが、いずれも不動産広告で禁止されている表示だ。さらに、最終値下で3580万円を2345万円に価格改定したという表現は、「二重価格表示」として禁止されているもの。怪しいことこのうえない広告だ。記載された電話番号も携帯電話のものだった。連絡してしまうと、その後どれだけしつこく営業されるかわからない。君子危うきに近寄らずだ。

最近では、電柱に張り付けるのではなく、三角コーンに張り付けて歩道に置くタイプが増えている。こちらも条例により禁止されていることがほとんどだ。

三角コーンに張り付けた不動産広告の例(筆者撮影)
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