妻の低レベルな話題、どうしたら止められる?

「夫婦の会話がゼロ」の夫の言い分

少し極端ですが二組のカップルを例に考えてみたいと思います。先の戦争中私の従兄は、出征する前日に結婚しました。その従兄の妻・弘子姉(仮名)はそうとは知らされずに、私の伯母(弘子姉の姑)のたっての肝いりというか策略でお嫁にきた人です。

あたふたと嫁入りした翌日に夫は出征し、弘子姉は驚いたそうですが、終戦で無事帰国した従兄とは、仲睦まじい夫婦としてずっと評判がたつほどでした。二人の仲を取り持った、結果的には弘子姉の恩人となる私の伯母(弘子姉の姑)と弘子姉は、40年間、ある時は嫁である弘子姉が家出をし、ある時は伯母が私宅へ家出をしてくるなど、すさまじい嫁姑バトルを繰り広げました。

今流で考えれば10回離婚しても足らないほどの摩擦でしたが、姑との摩擦を理由に当時離婚しておれば90歳を超えた今も、とても仲睦まじい「夫婦二人の晩年」はなかったことになります。手を取り合って支え合って散歩する二人の姿は、「ワインと夫婦は、旧いほど味がでる」が地を行く夫婦の姿そのものです。出来立てのワインより寝かせたワインの方が美味しいことに例えた最初の人は、どんな人でしょう!

家庭は夫婦で築くもの

かたや現代っ子のカップルである私の若い知人の功君(仮名)は、結婚一年も経たずに離婚しました。昔に比べれば十分に相手のことや相性を知る期間があって結婚したのに、離婚理由が「性格の不一致」なんて聞きますと、私は本当に腹が立ってしまいます。

確かに昔は(と言っても、ほんの数十年前までは)、離婚は世間体がとても悪く、特に女性にとっては女性に落ち度がなくとも実家の人たちの顔に泥を塗る行為などと言われ、また女性の職業は極々限られていたことからくる生活不安等の理由もあり、女性の理不尽な犠牲と忍従の上に、維持されてきた婚姻関係も、少なくはありませんでした。

このような背景があったとはいえもう一つの側面として昔の人たちは、一旦結婚したからには、家庭や夫婦関係を簡単に壊さないために知恵を絞りとことん努力をし、我慢や妥協をさまざまな場面で一方または双方でなし、どこかで折り合いをつけたり乗り越えることで、それぞれの夫婦の形を作って暮らしました。

功君たち二人をみていますとこの人たちは 誰と結婚しても上手くいかなかっただろうと感じるのです。家庭を築くということは、積木細工に例えることができます。相手がどんなに素敵な人であれ、家庭を築くということは、面倒なことも含めて基礎からコツコツと積み上げていく作業は同じです。

二人の出会いがどんなにロマンティックで運命的なものであろうとも、日常生活は平凡な努力の積み重ねで、そして山はありますが谷も多く、忍耐も妥協も全部込み込みです。

功君たちのような昨今の若い人たちの離婚理由の多くは、まるで積木細工も完成品にしか興味を示さない駄々っ子のように私には映ります。「性格の不一致」なんて、それをいうのも10年早いと叱ってやりたくなるのです。

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