「24日のお昼に、『今夜会わない?』って連絡が来たんです。それで、クリスマスディナーデートをしてきました」
そのクリスマスディナーは、予約席だったという。
「その日に予約はできないだろうから、きっと他の女性と行くつもりでいたんだと思います。でも、フラれちゃったので、私が暇そうにしているのではないかと、連絡を入れてきたんじゃないですかね」
ちあきは、自嘲ぎみに言った。
「それがわかっていて、どうして出かけていったの? うそでも、『私、今夜は用事があるの』って断ったほうがよかったんじゃない?」
「でも、やっぱり会いたくなっちゃって」
恋愛を終えるために「恋愛の上書き」が必要
好きになってしまうと、自分からは相手を切れなくなる。ただ2番手に置かれている女性は、決して1番手には上がれない。もしも1番手がいなくなったとしたら、別の場所からまた1番手が来て、2番手はいつも2番手の場所に据え置かれるのだ。
この説明をちあきにすると、ちあきは言った。
「それはわかっているんです。私も軽く見られているな〜って。だから、どんどんお見合いして、上書きしないといけないと思っているんですけど、やっぱり今は彼が好きで」
37歳の誕生日に、「1日も早く結婚をして、40歳までには出産をしたい」と思って始めた婚活だったが、婚活アプリで1年、アプリと結婚相談所を並行して半年。すでに1年半が経ってしまった。
ちあきみたいな経験をして、月日を重ねてしまう女性は多いのではないだろうか。私は、そんな女性たちが面談に来るといつも言っている。「結婚に一番遠いところにいるのは、恋人がいない女性ではないんですよ。結婚を言い出さない男性や、既婚者とお付き合いしている女性なんです」。
恋人のいない女性は、相手を探し、現れればすぐに結婚ができる。ところが、結婚を言い出さない男性や、既婚者と付き合っている女性は、片手で結婚できない相手とつながりながら、もう一方の手で結婚できる相手を探している。
そして、婚活をしていても片手に持っている男性と比べて、新しく出会った男性の欠点を探す。そうして、婚活がうまくいかなくなると、結婚できない相手へと戻っていく。
結婚できる相手ではないとわかっていても、好きな気持ちを断ち切ることは難しい。その気持ちも理解できる。相手を好きになる感情は、理屈では割り切れないのだから。
仲人としては、それでも、「上書きできる相手を探して、出会いにいきましょう」。そう言い続けるしかないのだ。
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