彼の夢に「明るい未来」が見えない49歳女性の現実

未経験で起業。家も売った相手で大丈夫なのか

婚約者から突然「起業することにした。資金を調達するためにマンションを売った」と言われたらどうしますか?(写真:adam121/PIXTA)
婚約した相手から突然、「今の仕事をやめて、転職をしたい」「かねてから夢だった起業をしたい」と言われたとき、あなたならその夢に同調し、その後の苦労を共にできるだろうか。
仲人として婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声とともにお届けしていく連載。今回は、成婚退会した女性が、パートナーから現職をやめて起業することを告げられたときの苦悩をつづる。

先月成婚退会をしたあやこ(49歳、仮名)から、LINEがきた。

「よしずみさん(50歳、仮名)とのご縁が破断になりました」

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満面の笑みで、「幸せになります」と退会していった彼女に、何が起こったのか。ひとまず面談をすることに。

事務所にやってきたあやこは、面談ルームのソファに腰をかけ、沈んだ口調で話し始めた。

「お付き合いをしていたときから、『ずっと夢に描いていた仕事がある』という話は聞かされていたんです。『いつかは、それで起業したい』と。でも、起業するってそう簡単なことではないし、資本金もいる。お金をかけたところで、それが軌道に乗るかどうかはわからない。仮に軌道に乗ったとしても、そこまでには年月もかかる。だから『もしも私との結婚を選ぶなら、今の会社を辞めずに働き続けてほしい』と伝えていたんですね」

50歳という年齢は決して若くない。立ち上げた事業でもし借金を背負ってしまったら、老後に、それをずっと返していく生活になる。

彼の夢をじゃましたくない、けど…

「一旦は、『そうだね。僕はあやこさんとの生活が大切だし、結婚してあやこさんを路頭に迷わせたくないから、今の仕事は辞めないで、それを続けながら新しい事業にチャレンジできないか、そのやり方を考えてみるよ』と言っていたんです。ところが、先日お会いしたら、『もう会社には、辞表を出した』と言うんですね」

それだけでなく、新しい事業の準備のため、すでにかなりの額を使っていることも聞かされた。

「彼の夢を私がじゃましたくない。ただ、ひとこと相談があってもよかったと思うし、事後承諾を求められても、そこに同調することができませんでした」

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