彼の夢に「明るい未来」が見えない49歳女性の現実 未経験で起業。家も売った相手で大丈夫なのか

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食費、雑費で月に4万円渡され、それ以外のお金はビタ一文出さない。めったに外食もしない。出かけたときに食事をすると、それはきっちり割り勘だった。

あるとき車で郊外に出かけ、のどが乾いたのでコンビニでお茶を買うことになった。店に入ると、彼は自分の飲みたいお茶をあやこに手渡し、車に戻ってしまった。100円ちょっとのお茶も自分の財布は開かず、渡している4万円の中から出せということなのだろう。

あやこは腹立たしさが込み上げてきて、車に戻ってからきみひこに言った。「ねえ、お茶も、私にごちそうできないの? 婚活していたときは、デート代や食事代は払ってくれていたじゃない?」。

すると、きみひこは平然と言った。

仲人に言われたから払っていただけ

「それは、仲人さんから言われていたからだよ。『婚活中は、女性にお金を使わせないでくださいね』って。そうはいっても、男女平等の世の中なのに、おかしな話だよね。お見合いのお茶代は男が払うにしても、お付き合いが始まったら割り勘でいいと、僕は最初は思っていたんだ。でも、割り勘にすると、決まって交際終了がくるから、あやちゃんのときは払うようにしていたんだよ」

さらに、一緒に生活を始めてみると、きみひこは、何を買うにしても安さを最優先させていた。豆腐や納豆などのいくつかのメーカーが並べられている食品に至っては、その商品のグラム数と値段を見て、その利率で一番安いものを買っていた。

また、あやこは部屋にアロマを炊くのが好きで、独身時代に部屋で使っていたデフューザーを新居に持っていっていた。休みの日に電源を入れてアロマを炊いていると、いつの間にか電源のプラグが抜かれている。

「どうして、アロマのプラグをいつも抜いちゃうの?」と聞くと、きみひこは言った。

「アロマって生活に必要? 匂いを部屋に充満させるために電気を使うって、電気代がもったいないじゃない」

一時が万事そんな調子だったので、結婚生活はもう息が詰まりそうだった。その話を私にした、あやこが言った。

「銀行にいくらお金があっても、いくら高収入を得ていても、それを使わなければ意味がない。私、結婚したあの1年間は今まで生きてきた人生のなかで、一番息苦しくて暮らしがつまらなかった。お金がないわけじゃないのに、心が貧しいんです」

そこで、私のところでは、「お金がきれいに使える人がよい」と言って、始めた婚活だった。

婚活を始め、断ったり断られたりが続くなか、よしずみとは見合い後に交際になって、順調に関係を育んでいた。

「女性のエスコートの仕方もスマートなんですよ。食事をしていても、大皿料理を私に最初に取り分けてくれるし、レストランを出るときも、サラリとコートを着せてくれる。お支払いもしてくださいます。あと、なんといっても素敵なのが、会話のなかでネガティブな発言をしないし、人の悪口を言わないんです」

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