「いくら食べても太らない人」に隠された秘密とは 2つの因子が痩せやすい体質かどうかを決める
飲み会に参加したあなたは、隣のとても痩せた人を見て思います。「この人、かわいそうに。キュウリしか食べていないんじゃないかな」。けれど、すぐに予想は裏切られます。その人はあなたの2倍の量をぺろりと食べ、ビールを2杯飲み、クラッカーの山とパテまで平らげてしまいました。
じゃあきっと、体型維持のために運動をしているはずだ。そこで、あなたはその人に「スポーツはされるんですか?」と尋ねます。すると、驚きの答えが返ってきました。「スポーツは全然好きじゃないんです。犬と散歩に出るのは好きですけど、スポーツはちょっと無理ですね……」
人より多く食べ、しかも運動も全然しないのに「太らない人」がいます。その秘密は「隠れ代謝」と「遺伝」に隠れているのです。
太りやすさを決める隠れ代謝と遺伝とは?
1日のエネルギー消費は3つに分けられます。全体の60%を占めるのが、休んでいるときの心臓の鼓動、体温の維持、脳の活動の維持などによる「安静時代謝率」。10〜5%を占めるのが、食べたものを消化して栄養素を吸収し、余剰脂肪や糖を蓄えるためのエネルギーを生む「食べものの熱産生」。
そして3つめが「活動性熱産生」です。これは、歩いたり話したり、仕事や運動などの活動に使用されるエネルギー量を指し、エネルギー消費全体の25〜30%を占めます。この「隠れ代謝」ともいえる活動性熱産生に、運動をしなくても太らない人の謎の答えが隠されています。
ここで重要なのは、彼らが運動しないように「見えている」という点です。自分では気づいてはいなくても、蓋を開けてみると身体的活動量が多い人がいるのです。
同じ職場で働くクリスとジョージを比べてみましょう。
クリスは40代半ばで少し太り気味。事務仕事で1日中デスクに座りっぱなしで、昼食のときだけ食堂に行きます。同僚のジョージは50代になったばかりで、痩せています。45分ごとに10分間の休憩をとり、その時間に水をコップ1杯飲み、同僚に質問しに行ったりします。ときには立って仕事をすることもあります。