なぜか仕事がスムーズに回る人の「時間」の使い方 すぐ動けない人のため「時間割仕事術」のススメ

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そして書いてみたものをざっくり眺めてみてください。すると「今やらなくてもいいこと」とか「人に頼めそうなこと」とか「そもそもやらなくていいかも」ということが出てきます。そういうものに○をつけたり、×をつけたり、( )に入れたりして、振り分けていきます。要は「NOT TO DO」リストをつくるわけです。

すると、どうしても「今やらなければいけないこと」だけが残ります。まずはそれだけやればいいのです。

終わったら、線で消していきます。それだけで少しスッキリして、やる気が出てきませんか?

人は「何となく忙しい」とか、「やらなきゃいけないけど、やる気にならない」などとばくぜんと思っているときがいちばん不安で、ストレスがたまります。お化けと一緒ですね。実体はよくわからないけれど、何となくこわいと思っているからこわいだけ。実はお化けの正体はススキの穂なんだよ、と実体がわかれば、それほどこわくないし、対策も立てられます。

「やること」「やらなくていいこと」を書き出すことによって、「やること」の実体が〝見える化〞できるので、はじめの一歩が踏み出せます。

「ざっくり時間割」を前日の夜か当日につくる

「やるべきこと」が整理されたら、それを「どれくらい時間をかけてやるのか」「いつやるのか」考えます。そしてそれを紙に書き出していきます。これだけで「ざっくりした時間割」の出来上がりです。本当は時間割は1週間単位でつくるのですが、慣れないうちは1週間分をつくるのはけっこうたいへんかもしれません。

そこでまずは明日(あるいは今日)どうやって時間をすごすのか、1日の計画を立てて紙に落とし込んでみるのです。就業時間が9時から17時までなら、その間の8時間だけでいいので、まずはやるべきことを書き出してみましょう。これが時間割の第一歩です。

下図くらいの簡単なものでかまいません。翌日は、「ざっくり時間割」にそった行動をしてみます。

(図)『すぐ動けない人のための時間割仕事術』

当然、そのとおりにできないこともあります。私の場合はなぜできなかったのか、横に書き出して反省し、次の日に生かすようにしています。面倒くさければ、そこまでしなくてもかまいません。でも、ふり返りをすることは大事です。

家計簿でもただ出費を記録するだけでは何の意味もありません。最初に出費の見積もりを立てた上で、何にお金を使ったか、検証し、先月と比較するなど、ふり返りをするから、ムダづかいがなくなり、お金が貯まるのです。

「ざっくり時間割」をつくるだけでなく、実際に何ができて、何ができなかったか、ふり返りをして、自分の実情に合わせた微調整をしていくことが大事です。

面倒くさがりやの人や計画がうまく立てられない人でも、「ざっくり時間割」をつくっておくだけで、心の安定になります。
時間をまったく意識していなかったときより、ダラダラする時間が確実に減ってくるでしょう。

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