ネット店舗はいらない!?無印良品の戦略 「WEB vs. 実店舗」の対立は、もうやめよう

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同じく購入前で言うと、店舗を訪れるだけでマイルがもらえるなどの仕組みもあります。ここからも、その行動を分析することで、お客様が来店から購入に至るまでの滞在時間などがわかります。今までわかりえなかった購入前の分析や、実際に検索して来店にまで至っているが購買されなかったという分析まで行うことができるのは、画期的なツールです。

また、「顧客時間」の購買後についてもMUJI Passportは連動しています。商品について、使用後の感想を求められることがあると思います。この感想をネットで簡単に送れて、かつポイントももらえる。それだけではなく、自分の声が実際の商品開発に本当に生かされるのであれば、どうでしょうか?

このMUJI Passportでは、商品購入後にネットストアやIDEA PARK(後述)で簡単に商品のレビューを行うことができ、そのレビューに応じてポイントがもらえるのです。そして、この商品の感想や要望を、本当に生かす仕組みが無印良品にはあります。

これらを総合すると、このMUJI Passportのポイントシステムは、商品購入だけではない、無印良品に対するコミットメントの強さに応じてポイントを付与していると考えられます。「顧客時間」という視点が生かされているアクションです。

オープンすぎる!? お客様とのコミュニケーション

もうひとつ、「顧客時間」を大切にしている取り組みが、無印良品が運営するWEBサイト「くらしの良品研究所」内にあるIDEA PARKです。

IDEA PARKのページ。冒頭には、このIDEA PARKに懸ける無印良品の思いがつづられており、その下に多数の商品に対するお客様の要望と無印良品の回答がすべて公開されている

このIDEA PARKは、すべての商品に対する意見と要望、そしてそれに対する無印良品の回答が行われる、お客様と無印良品の直接のコミュニケーションの場です。

しかし、そんな面倒なことは実際にはあまり活用されていないのではないか、どうせ言っているだけでしょ、と思うのですが、実際にこのIDEA PARKにはお客様の商品に対する要望が数多く書き込まれ、それに対する無印良品側の意見だけでなく、商品部の見解として「開発はじめます」「できました」「見送ります」等々の商品開発の具体的なアクションまで示されていて、WEBを通してすべてオープンになっています。

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