5位は出版業界大手の講談社。設問は多いが、内容は吟味されて学生の評価は高い。
「聞かれることが多かったのと、自分を表現してという題目で白紙の履歴書があった」(文系・その他私立大)
「白紙の履歴書」が何かというと「A4用紙1枚に自己紹介のデザインを制作し、写真や色使いなど工夫するもの」(文系・その他国公立大)。エントリーシートでは他社に提出した内容をコピペすることが多いが、講談社のエントリーシートでは無理。「自分の人生の『ものがたり』など、コピペでは対応できない内容だった」(文系・早慶大クラス)と学生は書き、評価は高い。
6位の花王のエントリーシートの特徴は設問数。えげつないほど多いこと。2022年卒でも「設問が多い」(文系・上位私立大)と学生は嘆いている。しかし、言葉に工夫があり、楽しんで回答する学生もいる。
「記述量がものすごく多かった。志望動機やガクチカなど当たり前のことを聞かれてもおもしろくないが、花王の場合はさまざまな質問があり、書いていて楽しかった」(理系・その他国公立大)
ほかに言葉選びに言及するコメントがある。
「唯一就活生への労いの言葉が書かれており、社員のことも大切にしていそうな印象を受けた」(理系・上位私立大)。どのような言葉を発するかによって、学生の印象が左右されることがわかる。
社名の変更案を聞いてくる
7位の味の素も「設問が多く難しかった」(理系・早慶大クラス)ことで有名。多いだけなら時間をかけて書けばいいのだが、内容がつらい。「会社名を考える質問が珍しかった」(文系・早慶大クラス)
「味の素」をどういう社名にするか? これはユニークだし、難しい問いかけだ。なにしろ日本人なら誰でも知っている商品名であり、社名でもある。もっとよい社名があるのかしら? 学生は大いに迷ったはずだ。
バンダイの特徴は「手書き」と「モチベーショングラフ」だ。モチベーションとは「やる気」「意欲」。モチベーションの高いとき、低いときを幼少期から現在までのグラフで表し、そのとき何があったのか(部活での怪我や優勝、受験の失敗や合格など)のイベントを記したのがモチベーショングラフ。
「ガクチカなどは聞かれず、自分らしい写真やモチベーショングラフを取り入れたESだった」(文系・上位私立大)
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