ホンダ「6代目ステップワゴン」王者復権への狼煙 新旧比較と総括、苦戦するミニバン市場で再起

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先代ステップワゴンで目玉だったのが「わくわくゲート」と呼ばれる、新機構のリアゲートだ(写真:本田技研工業)

また、荷物の出し入れや自転車の積み込みなど、車内への物の出し入れを頻繁に行うミニバンとして、後ろのハッチゲートを一般的な跳ね上げ式だけでなく、ヒンジドアのように開けられるようにした「わくわくゲート」が斬新だった。通常、ハッチゲートを使う際は、駐車したクルマの後ろにゲートを跳ね上げるための空間が必要で、そのためには駐車枠いっぱいには止めず、荷物の出し入れをした後、再び後ろの駐車枠ギリギリまで後退させる二度手間を生じる。わくわくゲートは、その面倒を省く手助けになったはずだ。

しかし、ヒンジドア機構を追加したことでゲート自体の重量が増え、跳ね上げて開けようとすると、男の私でも力をこめなければならないほどだった。ここは賛否のわかれるところだろうと思った記憶がある。実際、操作が重いとの意見が顧客からあったようだ。

ハイブリッドの時代に乗り遅れた先代ステップワゴン

もうひとつの理由として、ノアは2014年のモデルチェンジ当初からハイブリッド車(HV)を設定した。ステップワゴンは、それから1年遅れて新型導入したにもかかわらず、ガソリンエンジン車しか選択肢がなかった。当時、欧州ではじまったダウンサイジングターボの考えがあり、ホンダは燃費向上策としてそちらを選んだといえる。HVが追加導入されたのは、2年後の2017年になってからだ。

HV導入については格上の「オデッセイ」も同様に遅く、車種追加したのは2016年になってからだった。また壮快な運転感覚を求め、3代目オデッセイはミニバンでありながら車両の全高を下げ、珍しさから人気を得たが、ミニバンの意義を失わせることにもなり、次の4代目からは販売の低迷につながったといえる。

早くからハイブリッド車を設定し、優位に立ったノア/ヴィクシー。写真は現行モデルのノア(写真:トヨタ自動車)

5ナンバーミニバンで従来は感じられなかった商品性への新たな挑戦のあった前型だが、一方で、世の中の消費者が本当にそこを求めていたかどうかの確認が十分ではなかったのではないか。対するノア/ヴォクシーは、HVの選択肢があるだけでなく、運転のしやすさや爽快さを持ち合わせながら、親しみや安心を覚えさせる商品性が目立った。

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