米国の株価は1月12日に再び急落する懸念がある オミクロン株は低重症率でも影響はかなり深刻

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アメリカではオミクロン株拡大による人員不足や悪天候で航空便の運休が相次いだ。インフレが一段と悪化する懸念はないのか(写真:AP/アフロ)

欧米で新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大が止まらない。重症化率が低いために、現状では市場はさほど深刻に受け止めていないようだが、本当に大丈夫だろうか。

オミクロンは「低重症化」でも労働力不足をもたらす

実際、例えば昨年末の空の状況は混乱を極めた。感染者が急速に拡大する中、欧米を中心に航空会社の乗員や従業員で感染者が続出。本来なら1年間で最も需要が期待できる時期にパイロットやキャビンアテンダントの確保が間に合わず、12月27日には2800便以上のフライトが欠航となってしまった。

確かにオミクロン株は、南アフリカで最初の感染例が報告された当初こそ世界全体が大混乱に陥ったものの、その後は「重症化しにくい」との見方が有力となり、人々の懸念もかなり後退している。株式市場もそれを好感、大規模な航空便欠航のニュースが伝わった同月23日にS&P500種指数が史上最高値を更新。その後も再度更新して2021年を終えた。

医学的に見れば、感染力が強くても重症化リスクが低いオミクロン株が感染の大部分を占めるのは安心材料かもしれない。だが経済的には手放しで喜べない。アメリカでは1日当たりの感染者が100万人規模にのぼるなか、労働力の慢性的不足という深刻な事態が継続するのではという懸念はなお高い。いみじくも、今回の大規模な航空便の欠航は、まさにそれを象徴する事態となってしまったわけだ。

もちろん新型コロナの感染拡大に伴う労働力不足の問題は以前から指摘されてはいた。だが、これまでは求人があっても感染を恐れて職場復帰をためらう人や、政府の分厚いコロナ対策により、失業していても急いで次の仕事を探さなくてもよい人が多いなど、どちらかというと、働き手の意識に関するものが問題の理由として多く挙げられていた。

それゆえ「労働力不足は政府の補助が切れてくるのにつれて解消に向かう」との楽観的な見方が多かったように思える。ところが、感染力が従来よりも強いとされるオミクロン株出現で、そうした状況は一変してしまったようだ。

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