日経平均「2万9000円の壁」突破へ準備は整った

「オミクロン株警戒」でも欧米の株式市場は堅調

パリでもオミクロン株への警戒が広がるが、株価は堅調だ(写真:AP/アフロ)

まずは株価の行方を見るうえで重要な、外国人投資家の動向から見てみよう。最新の対内証券売買等契約(財務省ベース)は8413億円の売り越し。また、東京証券取引所の統計でも約4660億円の売り越しだった。

一時買い越しに転じたかと思えた外国人投資家は、このところ再び連続的な売り態勢となっている。

日経平均は「束」にはね返されたが、変化の兆し

前回のコラム「日経平均株価の運命を決める1週間がやってきた」では、「2万9000円前後に位置する『25・75・200日という3つの移動平均線の束』を抜けるかどうか」に焦点を当てた。

結局、12月3週目(13~17日)の日経平均はこの束にはね返されたが、冒頭の売りが大きな理由だったといえる。移動平均線は「投資家のエントリーコスト(売買の単価)」で、買いまたは売りコストを上回っているか下回っているかは投資家にとって最も重要な心理的要素であることはいうまでもない。ここを抜けなければ、上値の見通しなど意味をなさない。

しかし、20日以降は若干様子が変わってきた。日経平均は21日からの3連続高で、23日には「短期投資の基準」といわれる25日移動平均線を抜いた。23日に発表された11月全国百貨店売上高は前年比8.1%増の4497億円と2カ月連続のプラスで、12月の百貨店の人出も地下や1~2階ではコロナ禍前に戻った(上の階はまだだが)といわれている。

政府が同日の臨時閣議で来2022年度の経済成長率の見通しについて了解した内容は、「物価の変動を除いた実質で2021年7月時点のプラス2.2%程度をプラス3.2%程度に引き上げる」というものだった。これは12月1日に発表されたOECD(経済協力開発機構)の2022年の日本の成長率が、前回予想2.1%から3.4%に大幅に上方修正されたこととも、方向性のうえで一致する。

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