日経平均「2万9000円の壁」突破へ準備は整った 「オミクロン株警戒」でも欧米の株式市場は堅調

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一方、世界はなお欧州を中心に、新型コロナウイルスのオミクロン株がもたらす不安感の中にいる。英国の保健安全保障庁は23日、「オミクロン株の感染者はデルタ株に比べて入院リスクが低いものの、感染力が強いため多くの感染者が病院で治療を受けなければならない(医療崩壊を起こす)可能性がある」と発表した。

同国の新型コロナウイルスの新規感染者数は11万9789人(23日)と前日の10万6122人から増加、過去最多を更新している。また、フランスの新規感染者数も25日には10万4611人と連日のように過去最多を更新している。

イタリアでも、感染再拡大を受けて抑制策を強化中だ(公共の場で実施されるすべての大みそかのイベント禁止)。公共交通機関や映画館など屋内では防護力が強い「FFP2」マスクの着用を求め、コンサートのほか屋外イベントの開催を2022年1月31日まで禁止し、ディスコやダンスクラブなども同日まで営業停止とした。やはり25日の新規感染者は5万4762人と過去最高だ。

感染者数過去最大でも株価は堅調

では、こうした深刻な状況に対して株価はどうだろうか。英FTSE100指数は23日当日はジリ高となり、24日はクリスマスの前日で取引は半日だったものの0.02%安にすぎなかった。また、フランスCAC40指数も23日がジリ高、翌24日は0.28%安と、反応はそれほど悪くない。

イタリアのFTSE MIBに至っては、23日は一時上昇、翌24日も172ポイント(0.70%)高と、コロナウイルスの厳しい感染状況とは異なる反応を示している。

さらに、アメリカの食品医薬品局(FDA)当局者も23日、パクスロビド(同国メルク社製)とモルヌピラビル(同ファイザー社製)が経口治療薬として、オミクロン型に対してともに効果があるとの見解を示した。これを好感し、S&P500種指数は史上最高値更新となり、株価は明らかに「コロナ後」を想定しているようにみえる。

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