黒田総裁、QQEへの言及に微妙な変化 「2年で2%」から「期限は区切っていない」へ
[東京 7日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は7日の会見で、現行の「量的・質的金融緩和」(QQE)は予め期限を区切った政策ではないと語り、当初は強調した「2年で2%」のメッセージから微妙にカジを切り始めた。
背景には丸2年が経過する2015年4月4日が目標達成の期限ではないと市場に伝える意図がありそうだ。ただ、市場にはQQEの先行きで多様な思惑が出ており、日銀が何らかの意思を表明する時期が、次第に迫っている。
日銀は昨年4月のQQE導入時に、物価目標の達成時期について「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する」と大々的に打ち出した。2年「程度」の範囲は現在でも明確ではなく、物価2%やマネタリーベースと違って目標という位置づけではないが、市場では2年で達成できるかが政策判断の重要な要素とみられている。
総裁は会見で、2%の物価安定目標を2年で達成する考えに変わりがないかを問われ、「2年で2%をできるだけ早期に実現するため、量的・質的緩和を導入したのであり、その意図は変わらない」と強調した。
2%を目指す強い意思に変更がないことを示し、物価目標へ向かう足取りに関する市場の期待が、無闇に弱くなることがないよう配慮した発言とみられる。