黒田総裁、QQEへの言及に微妙な変化 「2年で2%」から「期限は区切っていない」へ

拡大
縮小
 10月7日、黒田東彦日銀総裁は、現行の量的・質的金融緩和は予め期限を区切った政策ではないと語った。写真は都内の日銀本店で7日撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 7日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は7日の会見で、現行の「量的・質的金融緩和」(QQE)は予め期限を区切った政策ではないと語り、当初は強調した「2年で2%」のメッセージから微妙にカジを切り始めた。

背景には丸2年が経過する2015年4月4日が目標達成の期限ではないと市場に伝える意図がありそうだ。ただ、市場にはQQEの先行きで多様な思惑が出ており、日銀が何らかの意思を表明する時期が、次第に迫っている。

日銀は昨年4月のQQE導入時に、物価目標の達成時期について「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する」と大々的に打ち出した。2年「程度」の範囲は現在でも明確ではなく、物価2%やマネタリーベースと違って目標という位置づけではないが、市場では2年で達成できるかが政策判断の重要な要素とみられている。

総裁は会見で、2%の物価安定目標を2年で達成する考えに変わりがないかを問われ、「2年で2%をできるだけ早期に実現するため、量的・質的緩和を導入したのであり、その意図は変わらない」と強調した。

2%を目指す強い意思に変更がないことを示し、物価目標へ向かう足取りに関する市場の期待が、無闇に弱くなることがないよう配慮した発言とみられる。

次ページ需給ギャップも着実に改善
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT