(第39回)【変わる人事編】増大し始めた外国人新卒採用。中国人は7万3000人弱

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 出身国・地域については「中国」が最も多く、「東南アジア」「韓国」が続いている。アジアを中心とした新興国でのビジネス展開を意識しているのだ。もっとも「国籍にはこだわらない」との回答も3割を超えている。

●圧倒的に多い中国人留学生は7万3000人弱

 日本学生支援機構によれば2008年の外国人留学生数は12万4000人弱。内訳は中国がもっとも多く7万3000人弱。次いで韓国が1万9000人弱。3番手は台湾だが5000人と少なくなり、以下ベトナム、マレーシア、タイ、米国が2000人台で並ぶ。インドネシア、バングラデシュ、ネパール、モンゴル、スリランカは1000人台だ。
 圧倒的に多い中国人は、毎年2万人弱が卒業している。欧米やシンガポールではなく、日本の大学を選んだのだから、多くの中国人留学生は日本企業(あるいは研究機関)への就職が目的なのだろう。

 企業取材でも中国人に会うことが多い。英語も理解し、日本語で会話もできる。中国で一流大学に進学し、来日して大学院(旧帝大クラス)に進み、院修了後に日本企業に就職した女性2人(エンジニア)に取材したことがある。
 1人は物静かで、もう1人はひどくエネルギッシュだったが、日本の大学について話した時に2人とも「日本人はなぜあんなに勉強しないのか」という趣旨の発言をした。中国では必死になって勉強するそうで、寮の消灯時間が過ぎると布団の中で懐中電灯の明かりで勉強しているという。
 日本でも理系学生は勉強するが、文系学生はバイトや遊びに明け暮れる者が多い。就活で中国人学生と競争しても、勝ち目は薄いだろう。

●最重要言語は、英語ではなく中国語。グローバルな視点からの就活

 もっとも、新卒で外国人を採用している企業はまだ少数派だ。採用している企業でも9割が「障壁と感じるものがある」と回答している。採用時に言語の壁があるので能力を適切に判断できないし、ビザの申請などの雇用手続きが煩雑という理由もある。日本人学生を採用する時にはキャリアパスがあいまいなままでもいいが、中国人は明確さを求める。つまり文化的な壁が存在する。
 ただし、こういう障壁は外国人採用を実践する中で乗り越えられる性質のものだ。2010年度から2011年度にかけて外国人を採用する企業が2倍になっていることは、2012年度採用でさらに増加することを意味する。
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