英語は世界の公用語であり続けるだろうが、アジアにおいては中国語が重要だ。9月6日に東洋経済新報社主催のセミナー「HRフォーラム」があり、コマツ、日本GE、楽天の人事執行者によるパネルディスカッションが行われた。コマツは建設機械の世界的大手だが、今年の研修を中国で行ったという。またビジネスの世界では、今や英語ではなく中国語が最重要言語であり、次にスペイン語と英語が同程度の位置、その次がフランス語と話していた。スペイン語は南米、フランス語はアフリカで使われる言語だ。
「グローバル」という言葉はアメリカを意識して使われ、言語は英語という刷り込みがあった。現在は中国市場が世界経済の牽引車だから、中国語ニーズが強まっている。しかしコマツのように五大陸すべてで活動していると、スペイン語、フランス語の必要性が見えてくるのだろう。
コマツは1970年代から世界に進出した歴史を持つグローバル企業だが、国内企業も存続、成長するにはグローバルなビジネス環境に対応する必要がある。
しかし就活学生の意識と行動を観察すると、内向き志向でこのようなグローバル志向に欠けている。就活意識も強迫観念に取りつかれているように見える。「企業に気に入ってもらわないと内定をもらえない」「気に入られるにはエントリーシートを上手に書かなくてはならない」「面接ではいい印象を与えなくてはならない」と思い込んでいる学生が多すぎる。しかし化粧と演技では内定はもらえない。
就活は学びの機会である。社会、世界、産業、企業、仕事と多くのことを考えて成長しなくてはならない。その成果を企業は見たいと思っているのに、学生はトンチンカンな就活に走っている。
重要なのは視点だ。グローバルな視点から産業や企業について考え、その考えをエントリーシートや面接に反映させていくのが就活の本道ではないだろうか。
早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年、(株)文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。84年、(株)ピー・イー・シー・インタラクティブ設立。87年、学生援護会より技術系採用メディア「μα(ミューアルファ)」創刊、編集長。89年、学生援護会より転職情報誌『DODA(デューダ)』のネーミング、創刊を手掛ける。多くの採用ツール、ホームページ制作を手掛け、特に理系メディアを得意とする。2010年より、「採用プロ.com」を運営するHRプロ嘱託研究員を兼務。
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