"脇役メタル"亜鉛が急に輝き出したワケ 業界関係者のボルテージも急上昇

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東邦亜鉛が運営する豪州のラスプ鉱山。立ち上がりの品位が安定せず、目下3割の減産中

非鉄金属の世界では今も昔も、花形は金・銀であり、銅である。主に鋼板の防食用に使われる亜鉛は、脇を固める役どころ。その脇役が久々の脚光を浴びている。

今年3月まで1トン当たり2000ドルを割り込んでいた亜鉛市況が6月から急騰し、7月に2400ドルを突破。3年ぶりの高値をつけた。この間、銅は6000ドル台後半を行ったり来たり。がぜん、亜鉛が輝き出したのだ。

三井金属の齋藤修・金属営業部長は早くから「今年、亜鉛市況は2200ドルになる」と予測していた。が、「言い切るのに勇気がいった。これまでの市況が市況だから」。リーマン危機前、4600ドルまで暴騰した亜鉛市況は危機後、1000ドルに転落した。ありえない大暴落だった。

中国で需要が持ち直す

そこからはい上がった第一の要因は、中国の需要持ち直しだ。最大消費国の中国の需要は危機後、年540万トン前後で停滞していたが、2013年に575万トンまで回復。締めてみれば、2013年の世界需給は総需要が総供給を上回った。わずか9万トンとはいえ、需要超過は7年ぶりだ。

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