銅価格が急落、中国から広がる"赤い"不安

爆食の陰で浮かび上がる、もう1つの「影の銀行」

大量輸入された銅が上海など中国の倉庫に積み上がっている。行き先は工場とは限らない(写真:Getty Images)

3月中旬、世界中が銅市況の急落にギョッとなった。指標となるLME(ロンドン金属取引所)で一時、1トン当たり6300ドル台と4年ぶりの安値をつけた。2011年の高値である1万ドルからは4割近い暴落である。

震源は中国だ。LMEの指定倉庫の銅在庫はこの半年で半減した。その大半が中国に持ち込まれたとみられる。ところが、中国の2月の輸出額は前年比18%の減少。つまり生産は停滞しており、原料の銅はダブついている。となれば、市況下落も当然だ。

が、疑問が湧いてくる。生産に回っていないなら、大量に中国に持ち込まれた銅はどこへ消えたのか。「金融取引」に使われているのである。

仕組みはザッとこんな具合だ。中国の業者が外資系銀行にLC(信用状)を発行してもらい銅を輸入。輸入と同時に国内で売却して換金し、高利で転貸したり、「理財商品」や香港などのオフショア銀行で運用。カラオケ店などへ投資するケースもある。いわゆる「影の銀行」そのものだ。

そこに3月7日、ソーラー企業の上海超日太陽能科技が中国で初めてデフォルト(債務不履行)する事件が起きた。あえてデフォルト“させた”のは、当局が金融引き締めへの強い意志を表明したもの。ならば、銅の「影の銀行」も無事では済まない。恐怖した投機筋やファンドが慌てて銅の買いポジションを手仕舞いし、売りに転じた──。

3月中旬の市況急落は実体的な需給関係より、こちらのインパクトのほうが大きい。

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