やっぱり使える!「iPhone6 Plus」 画面サイズだけじゃないその実力

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HD動画撮影中にシャッターを切って撮った、京都・地蔵院の竹林。大画面とカメラの性能によって、見たままを美しく切り取ることができるカメラは特筆すべき進化だと考えられる。特に1ピクセルごとにそのまま表示する動画撮影時の画面は非常に美しい

ビデオ(動画)の美しさも目を見張る。1920×1080ピクセルのフルHDをそのまま映し出すディスプレイは、撮影中も、再生中も、非常に美しい映像が楽しめる。撮影する際、これまでの秒間30フレームから倍の秒間60フレームにすると、水面の水の動きや、秋風に揺れる木々の葉などの動きがよりクリアに描き出され、初めてハイビジョンテレビを目の前にした時のような感動がそこにある。

次いで面白いのがインカメラ「FaceTimeカメラ」だ。

オックスフォードの辞書に「セルフィ」(自分撮り)という言葉が入るほど、スマートフォンによる自分撮りが普及するようになった。今回iPhone6Plusのカメラのテストを行った京都でも、特に外国人環境客が、観光地を背景に自分撮りをする光景がたくさん見られた。

iPhone 6 Plusの内側のカメラはiPhone 6と共通だが、アウトカメラと同じF2.2の明るいレンズを搭載し、暗いところでもぶれずに撮影できるようになった他、HDR写真を1度の撮影で得られるようになった。この効果は絶大だ。

自分撮りをする際、明るい背景と手前にある、やや光が十分に当たっていない自分の顔を撮影する、というシチュエーションは多い。しかも、構えた片手でシャッターボタンも押すため、手ぶれも起こしやすい。そこで、一度に明部と暗部を撮影できるようにしている。こうしたセンサーのおかげで、HDR写真のようなビデオも撮影できるようになった。

サイズをフォローするのもアプリ

1週間、iPhone 6 Plusを使ってから、それまで使ってきたiPhone 5sを握ってみると、その画面サイズの違い、小ささに驚かされる。繰り返しになるが、Androidでは既に経験してきた大きな画面を、iPhoneユーザーもやっと手に入れることになるのだ。裏を返せばあの小さな画面で、メモ、写真加工、動画編集、モバイルバンキング、コミュニケーションと、よくここまで多彩なことをこなしてきたものだ、という感想すら持つ。

確かに大きな画面は情報表示には有利だが、物理的な扱いやすさは低下する。既に画面の大部分を片手の親指でカバーできない点は指摘したが、iPhone 6 Plusとしては、ホームボタンの2度タッチという機能の実装で、届きやすさを確保しようとしている。

アプリを使っていると、大画面でもなお使いやすいアプリと、そうでないアプリに分かれている。まだすべてのアプリがiPhone 6 Plusの大画面に対応しているわけではないが、レイアウトを最適化することで、Appleが用意した届きやすさとは異なるアプローチによる使いやすさの確保を実現している。

例えば、日本のユーザーから待望だった日本語入力システムATOK for iOSは、iPhone 6 Plus向けのテンキーを左右に寄せることによって、片手での文字入力をしやすく調整していた。こうした工夫がアプリに広がると、さらに使いやすさも追求されるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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