やっぱり使える!「iPhone6 Plus」 画面サイズだけじゃないその実力
親指の可動範囲を確保して握ったとしても、画面の左の端までは届かない。握り方を変えずに操作できるのは、画面の右半分、という範囲に限られてしまう。もちろん手の大きさ、指の長さは個人差があるので、もっとリーチが取れる人もいると思う。
ただ、片手で操作するのは難しいという印象だった。特に、片手で握ってテンキーからフリック入力をする際、前述の画面の右半分にテンキーのすべてのキーが収まっておらず、例えば「あ」「た」のキーは、触れたとしても左にフリックして文字を入れるのは厳しい。
縦方向はさらに絶望的だ。快適に指を伸ばせるのは下半分だが、端末の左上方向に指を伸ばすと、当然縦方向のリーチは減る。そのため、アップルは、Touch IDに2度触れると、画面全体を手前にたぐり寄せてくれる機能(Reachablity)をiPhone 6 Plus(iPhone 6にも)に備えた。この機能の呼び出しになれると、非常に重宝するようになる。
画面の左端から右フリックをして、1つ前の画面に戻るという使い方も利用できない。そこで、前述のTouch IDに2度触れる機能を呼び出すと、画面の上の端にあったナビゲーション用のボタンに手が届くようになる。
それでも筆者がiPhone 6 Plusを選んだ理由は、iPhone 6であっとしても画面の端に届かなかったり、片手でのフリック入力に不安を覚えたりしたからだ。画面の大小に限らず、iPhone 6シリーズでは左手を添えながらの操作が中心になる。だとすれば、画面が大きくてもその操作方法は変わらないだろう、というわけだ。
今後、アプリも、大画面で使いやすいユーザー体験を作り出すデザインへと変化していくことが期待される。様々な工夫によって、使い勝手が向上する可能性があるのも、ソフトウェアによる進化を続けるスマートフォンならではのメリットだろう。
息を飲むカメラ性能
ディスプレイに次いで驚いたのは、カメラの性能だ。他社のスマホは2000万画素超で、4K撮影にも対応するようになったものの、アップルは引き続き、iPhone 5sと同じ800万画素となっている。スマホのカメラの写真は、画素数の面では800万画素であっても十分なサイズを確保できている。
失敗写真は手ぶれやオートフォーカスのミスなど、画素数以外の要素で生み出される。幸い、デジカメはフィルムカメラと違って現像に時間やコストがかからないため、失敗したと思ったらその場で何枚でも撮り直せばよいのだが、一瞬を切り取る機会も多いスマホの写真で「後から見たら失敗だった」では困る。
その画素数では問題解決されない要素に、アップルは目をつけた。新しい800万画素のセンサーには「Focus Pixels」と呼ばれる画素が組み込まれている。これは一部のデジタルカメラでも採用されている「像面位相差AF」を用いるためのもので、より高速なフォーカスを実現してくれる。
特にビデオ撮影の際には、高速でスムーズな連続AF(コンテニュアスAF)となるため、被写体が近づいてきたり、カメラをパンして手前のものにフォーカスを合わせたりしたい場合でも、スムーズにピントが合うのだ。
iPhone 6 Plusのカメラには、加えて、レンズ内の光学手ぶれ補正が組み込まれている。ソフトウェア的な手ぶれ補正とともに、手ぶれによる失敗写真をさらに軽減する役割を果たしてくれる。
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