ここで決めろ!内定をもぎ取れ! 『無敵の面接 2016年版』を読む

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特徴は『銀のアンカー』の登場人物がナビゲーションしていくことだ。チューターとして教えるのはカリスマヘッドハンター白川義彦。そして、漫画の中で教えを受けて成長していく多彩な就活生たちを挿絵的に登場させ、理解しやすい構成にしている。

この構成は成功していると思う。就活の仕上げが面接であり、100100様の面接がある。面接のよくある質問ごとに「質問の意図」と「回答のポイント」がまとめられているので、単に回答例をなぞるのではなく、自分らしい回答を考えることができるはずだ。

本書では人事の声を多数取り上げている。学生が面接でよく使う言葉に「育ててくれる会社」「自分を輝かせてくれる仕事」があるが、人事にかかると「受け身な言葉」「自分で成長していこうという、ビジネスパーソンとしての意識が低い」と一刀両断だ。甘い気持ちで面接に臨んでも評価は得られないのだ。

自己分析ばかりしないで外へ出ろ

漫画のキャラクターが登場するので読みやすいが、内容は過激で役に立つ。話のネタを作るために延々と自己分析を続ける学生がいるが、本書は、机に向かわず外に出ろ、何もない過去をこねくり回すなと言う。そして人事が聞いているのは話の内容だけではなく、話し方や言葉の端々からにじむ人柄だから、「極論すれば、ネタはなんでもいい」と断言している。

『無敵の面接2016年版』(内定請負漫画『銀のアンカー』式)監修:三田紀房福島直樹 TAC出版 1300円+税

もうひとつ驚いたのは、「まったくのウソはダメでも、多少のハッタリはかましたほうがいい」という教えだ。そのとおりだと思うが、無邪気な就活生は誤解するかもしれない。内定をたくさん取りまくるスーパー就活生は教えられなくてもハッタリをかましているだろう。いずれにしてもこのように断言する本は珍しい。

こういう決めつけ方はカリスマヘッドハンターらしく、武道の極意を語る名人の趣がある。就活生や人事担当者はもちろんのこと、子どもに間違ったアドバイスをしないためにも、ぜひとも就活生を持つ親にもお勧めしたい1冊である。

内定請負漫画『銀のアンカー』式「無敵」シリーズは4冊で構成されており、本書以外に『無敵の就活 パーフェクトナビ』『無敵のエントリーシート・自己分析・自己PR・志望動機』『無敵のSPI3』の3冊が同時刊行されている。

(撮影:梅谷秀司)

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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