『ベスト・キッド』--世界の主要マーケットはアジアへ、精神面もテーマに《宿輪純一のシネマ経済学》

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この作品では(東洋的な)「善き心」もテーマになっており、精神性を説く。いじめや暴力を振るうのは、人が見ていなければなにをしてもいい、金さえ儲かればいい、法律さえ犯していなければいい、という考え方があるからだ。
 
 最近の社会のモンスター化、そして犯罪の凶悪化には、親の責任とともに社会にも責任がある。宗教的なことまでいうつもりもないが、悪いことをすれば必ず自分に返ってくる。一人ひとり、自分自身が「善き心」を持ち、経営者は社員のことも考えて経営し、一人ひとりが誠意をもって頑張れば、社会の良化とともに、経済も回復してくると信じる。

しゅくわ・じゅんいち
映画評論家・エコノミスト・早稲田大学非常勤講師。1987年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。企画部、UFJホールディングスなどに勤務。非常勤講師として、東京大学大学院、(中国)清華大大学院、上智大学、早稲田大学等で教鞭を執る。ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。財務省・経産省・外務省等研究会委員。著書は、『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『アジア金融システムの経済学』(日本経済新聞社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA

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