より突っ込んだ話をしますと、最初の会社はアニメの企画・制作をする会社でした。製造業などに比べると、日本におけるコンテンツ領域の海外発信が当時はまだ盛んでなかったことに着目し、その中で日本語の壁がある映画や音楽よりも、ゲームやアニメであれば不自然でない英語吹き替え化ができるだろうから、より海外展開の可能性があるのではないか、と学生ながらに考えたからです。
そして、面接を受けるに従って、経営陣の考えもやはり海外を向いていることがわかり、選んだわけです。
重要ななのは、これが正解であるかどうかにかかわらず、自分として懸けるに値するビジネスであるのか否かをきちんと考えるということです。そのうえで、自分が成し遂げたいことと、会社や経営陣の目指す方向性が重なっていればいるほど、実りのあるキャリアを積めると思います。
自分が成長できるか?
次は、「転職者たる個人のキャリアや成長という視点から見てどうなのか?」ですが、まずベンチャーへの転職時に、そもそもの前提として忘れてはいけないのは、「自分が即戦力としてどんな付加価値を出せるか」と「何を期待されているか」のバランスをキチンと見極めるということです。
私自身、ベンチャーにいる際に大手企業や有名企業からの転職組を数多く面接してきましたし、実際に採用もしてきましたが、生き残る方とそうでない方の大きな違いのひとつはこの点でした。すなわち受け身でない姿勢を持てるか否かです。
大手企業への転職であろうと、「就職」ではなく「転職」である以上はそのように考えないといけませんが、とりわけベンチャー企業への転職はその姿勢が求められます。スピード感も考えて即戦力となる人材「のみ」を採用したい、むしろそれ以外の人材を抱えている余裕がないからです。求められる以上の付加価値をいかにして会社に与え、貢献できるかをつねに考えることが重要です。
ちなみに、即戦力といっても、あくまでも結果を出すことが求められるベンチャーにおいては、大手企業でいうところの仕事の成果やスピード感とは異なる水準や基準が求められることも理解しておくべきでしょう。
私がベンチャーにいた当時、有名コンサル会社出身の方で何だか小難しい分析やらを資料化してあーだーこーだ言い、スゴそうに見えたものの、結局、会社の収益に結び付けることができず玉砕する人もいました。優先順位とスピード感を間違えずに、会社のどの領域で自分のポジションを築くかを考えないといけませんね。
また、今度は大手企業出身の方ですが、やたら経費をかけて外注する前提で物事を考える方がいました。この方も費用対効果が悪く、やはり短期でいなくなりました。
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