映画以外に写真や雑誌も将来は3D化されるはず--ドリームワークス・アニメーションCEO/映画プロデューサー ジェフリー・カッツェンバーグ
ただし、気をつけなくてはいけないことがある。当社では企画の段階から3Dを念頭に置いて作ってるが、他社には2Dで作った後にコンピュータ処理で3D変換した映画もある。いわば白黒映画に後で色をつけるようなもので、どうしても違和感が出る。家庭用テレビのような小さな画面なら2D映画を3D変換しても大きな違いはないかもしれないが、映画館の大画面では、将来はともかく現在の技術では、“まあまあ”の3D映像にしかならない。
興行主は3Dだからという理由で入場料に割増料金をつけている。だが観客にとってみれば、割高な料金に見合う素晴らしい映像を見せないと、あっと言う間に見切りをつけられてしまう。
--最初から3Dを念頭に映画を作ると、ストーリーや演出の面で制約は生じませんか。
あると思う。でも製作するたびにノウハウを蓄積している。人材も増えている。特に3Dという新分野で映画を作ろうという人たちはやる気にあふれている。制約があったとしてもすぐに解決できる。
--恋愛ものや芸術的な映画が3Dになる可能性は?
理論的にはイエス。現実的にそうなるか、今は見守っている段階だ。
3D化するのは映画だけではない。今、あなたの目に私が映っているはずだが、それは3次元映像。だから人間は3Dでモノを見るのが自然だ。つまり理論的には映画だけでなく、われわれが見るものすべてが、将来は3Dになっていくはずだ。絵画も、写真も、雑誌だってそうだ。