ナゴヤドーム、ご当地グルメがピカイチ 12球団のホームグラウンドへ行ってみた<3>

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そしてここからは記憶を辿る話になるのだが、前回観戦時はもっとMCがハデにチアを盛り上げていたような気がする。チアにも個々人にファンがちゃんとついていて、スコアボードにもチア個人の顔を大映しにし、選手なみに名前をコールしたりしていたように思う。ところが、今回はそういった扱いは一切なしだ。

場内の売り子も前回来たときはめちゃくちゃ元気でびっくりしたのだが、今回はいたって普通。1塁側外野席の中日応援団がおとなしいのにも驚いたが、こちらは東京へ戻ってから調べたところ、応援団の解散問題があって鳴り物が禁止されていることがわかり、ナットク。とはいえ、スタンド全体に前回観戦時のような活気がまるで感じられないのは、外野だけが原因ではないような気がする。

現在、12ある球団経営会社で、会社法440条の決算公告義務を履行していないのは中日と巨人だけ。非上場といえども履行義務はあるし、違反した場合は100万円以下の罰金という罰則規定もある。

以前はどこも履行していなかったが、親会社が上場会社なのにさすがに会社法違反はまずいということになったのだろう。2004年からパリーグ6球団が一斉に履行を始め、セリーグ球団も阪神、横浜が翌2005年、広島が2006年、そして2010年にヤクルトが履行を始めたので、現在のところ不履行は新聞系の2球団だけになっている。

球団経営にもマイナスインパクト

このうち、読売巨人軍は会社法上公告義務がある貸借対照表については一切開示していないが、おおまかな損益だけは業界紙に開示している。だが、中日ドラゴンズはそれもなく、数字は完全にヴェールに包まれた状態。公表されている数字といえば、NPBが公表している観客動員数くらい。その観客動員数のここ数年の減少ぶりは尋常ではない。

2008年シーズンに242万人だった公式戦観客動員数は、以後5年連続で減り続け、2013年シーズンには199万人にまで減っている。

球場から活気が失せた原因が何なのかは筆者には解明できていないが、観客動員数の減少と無関係ではない気がする。球場は球団所有ではないので看板広告収入や飲食収入は球団には入らず、球団の収入はおそらくチケット販売収入とグッズ収入くらいだろう。観客動員数の減少は球団経営にも影響を及ぼしているはずだ。

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