吉本興業が「アートと地方創生」で打ち出す新機軸 沖縄「やんばるアートフェスティバル」の本気度

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同アートフェスは、やんばる国立公園が2016年9月15日に国内33カ所目の国立公園に指定され、県北部観光の機運が高まる中、複数の市町村(大宜味村を中心に名護市、本部町、国頭村、東村など)で横断的に行うアートイベントとしてスタート。これまでにのべ20万人が訪れている。今年7月には、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界自然遺産委員会により「奄美大島、徳之島、沖縄県北部及び西表島」の世界自然遺産登録が決定したことも追い風だ。

塩屋湾と沖縄の絶景が見渡せる、メイン会場の大宜味村立旧塩屋小学校 (写真:やんばるアートフェスティバル実行委員会)

やんばるの大自然とアートを融合させる独自のカラーを打ち出す同アートフェスには、国内外の気鋭アーティストが集結していることも特長のひとつ。

12月17日に行われた内覧会には、「沖縄・記憶と記録」プロジェクトのプロデューサー立川直樹氏と杉山恒太郎氏、展示ディレクションの小山健一郎氏や、創作あーちすととして活動する、のんのほか、アートモ、伊藤彩、金氏徹平らと森千裕、「THE SNOWFLAKES」from TOBIU ART COMMUNITY、谷本研、Chim↑Pom、仲程長治、曳野真帆、ホテルアンテルーム那覇コレクションから堀口葵と松岡柚歩、髙橋相馬、湯浅要らが姿を見せていた。そしてそれぞれの作品について沖縄や大宜味村との関連性や思い入れを含めて熱く説明していた。

入場は全会場無料。さらに、3~7日の日程で行うモニターツアーは、内閣府「新たな沖縄観光サービス創出支援事業」の補助(8割)が適用され、実質負担約2割でアートフェスに訪れたり、沖縄観光を楽しんだりすることができる。

京都国際映画祭でも「アート」打ち出す

吉本興業が地方でこうしたアートの展示会を行うのは、同地だけではない。

そもそも、吉本興業が全国各地で開催している主な大規模イベントには、4月に沖縄県全域で開催される「沖縄国際映画祭(島ぜんぶでおーきな祭)」、8月に北海道で開催する「みんわらウィーク」、10月に京都市などで開催する「京都国際映画祭」、そして12月の「やんばるアートフェスティバル」だ。

このうち、アートそのものをメインに据えるのは、「やんばる〜」だけではない。3年早く2014年にスタートした「京都国際映画祭」もそれに該当している。京都国際映画祭は、サブタイトルに「映画もアートもその他もぜんぶ」と、アート色も打ち出しており、クリエイターズ・ファクトリーなどの展示会を開催している。

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