柳弘之・ヤマハ発動機社長--黒字化シナリオを実現し、持続的成長で2兆円を狙う

柳弘之・ヤマハ発動機社長--黒字化シナリオを実現し、持続的成長で2兆円を狙う

過度な成長戦略がリーマンショックで裏目に出て、2009年12月期は2161億円の最終赤字に転落したヤマハ発動機。渦中の1年間には、トップが3回交代するという異常事態にも見舞われた。10年3月、構造改革プロジェクトチームのリーダーから一気に社長へ抜擢された柳弘之氏に、同社再生の舵取りが託される。経営改革の進行状況と今後の成長戦略を聞いた。

--短期間にトップ(社長・社長代行)が4人も交代。ヤマハ発動機の経営に何か問題があったのでは。

最初の梶川隆は多額の赤字を計上し昨年10月末に引責辞任した。引き継いだ戸上常司は病気で入院。これは仕方なかった。12月4日にいったん木村隆昭が代表取締役として代行し、3月25日に私が社長に就任した。細かいことまで発表できなかったが、戸上が倒れた直後の1月1日から、私が実質社長の役割を担っている。外から見ると非常に不安を与えたかもしれないが、社内での混乱はなかった。

--社長は就任時に「顧客価値」と「現場主義」を重視すると語っています。裏を返せば前期の巨額赤字を招いた原因は、この二つに課題があったとの認識ですか。

そこに直接問題があったということではないが、振り返ると、売り上げが右肩上がりで現場主義が少し弱くなったかなとは思う。前期の大赤字については、基本的に四つの経営的な反省がある。一つは過度の右肩上がり路線だったところに先進国で急激な需要減が来て対応が遅れたこと。二つ目は大きく膨らんだ在庫の問題。三つ目は右肩上がりで成長してきたときの固定費負担増。四つ目が円高に振れた為替変動だ。

先進国の経済はリーマンショックで金融破綻した。ただ経済活動の根源は生産、ものづくりだと思っている。ものづくりの原点は顧客価値の創出で、品質と価格と魅力の三つから成る。これらをいかにつくるかは、製造、販売の現場にかかっているということだ。ヤマハ発動機はものづくりを中心に将来に向けてよみがえっていく。

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