激変、異変!2022年「日本で注目の街」の共通点 毎年恒例!「ゆく街・くる街」に選ばれた街は?

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弘明寺は古い門前町であると同時に横浜市営地下鉄、京浜急行本線の2路線が使える利便性の高い立地のため、建売一戸建てが分譲されるとすぐに売れる子育てファミリーにも人気の街。商店街を行き交う人から想像する以上に子どもも多いのだが、これまで古くからの高齢者を中心とする住民層と新住民が交わることはなかった。本当は繋がりたがっている人は多いはずだが、普通の街ではきっかけがない。

だが、そこにアーティストという、誰に頼まれてもいないのに作品を作る、能動の塊のような人たちが入ってくるとしたら化学反応が起こらないはずはない。

すでにアキナイガーデンの店頭では新旧の住民が同じテーブルを囲み、同社ビルにアトリエを構えた2人のアーティストはオープンスタジオなどのイベントを開催。2022年3~4月には新しいシェアハウスのオープンも予定されている。こうした場や人に惹かれて今まで以上に人が集まるようになればレトロな門前町に新風が吹く。アーティストがどのような変化をもたらすか。見ものである。

独立・起業を目指したい人にオススメ

小田原(神奈川)

コロナ以前から朝座れないこともあるほど新幹線通勤者の多かった小田原だが、コロナ禍以降、人気はさらに上昇している。新築時より高く売れるマンションの範囲が広がり、駅近でなくても高値が付く、売れ残っていたマンションが完売するなど物件不足が続いている。2020年12月には駅直結の商業施設「ミナカ小田原」の開業も話題になった。

だが、小田原で変化し始めているのは駅周辺ではない。駅から400~500m圏の店舗坪賃料は1万5000円~2万円というが、新施設以外では空き店舗も目立ち、活気づいている風もない。

ところが旧東海道に近い、かつて栄えた繁華街エリアでは坪賃料が4000円~8000円と手頃。一般の商店街では店は閉めていても2階に店主が居住している、残置物があるなどで貸せないことが多いのに対し、このエリアはもともとスナックだった店舗などが多く、所有者が貸す気になればすぐに貸せる状態である。

それもあり、この7年で40軒ほどの主に飲食店が新たにオープン。緊急事態宣言下で一時流れが止まったものの、2020年秋からは再び、店を開きたい人が集まり始め、2021年11月には立て続けに3軒が開業、現在も工事中の店舗があるという。

写真は左上が2020年3月開業のアパレルショップNonFlag、右上が2021年11月開業のワインショップ・ワインバーQuindici del Mare、下が2021年3月開業のCafe EVERGREEN(写真:旧三福不動産提供)

「駅から離れた場所で物件が出ると1物件に10何件もの問い合わせが集まります。賃料の安さに加え、物件が少ないので貸す相手を厳選することになり、その結果、3年で7割の店舗が廃業すると言われる中で、廃業したのは40軒中3軒だけです」と仲介した旧三福不動産の山居是文氏は話す。

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