激変、異変!2022年「日本で注目の街」の共通点 毎年恒例!「ゆく街・くる街」に選ばれた街は?
大塚駅前~向原電停間、約400メートルの都電沿線の両側を彩る1150株770種類のバラも2006年に発足した南大塚都電沿線協議会が主体となって手入れ、美化に努めてきたもの。今では都電沿線の名物だが、これもまた地域が地道に積み重ねてきたものなのである。
若い仕掛け人が街を変えている
しかも大塚がすごいのは、こうした時間をかけたやり方とは異なる方法で街を発展させようとする若い世代が同時多発的に出てきていることだ。星野リゾートの都市型ホテルや、東京大塚のれん街など、北口周辺ではこの数年で新施設などが続々誕生しているが、これは地元の山口不動産の7代目、武藤浩司氏が手掛けたもの。同氏はじっくり対話を重んじてきた従来とは異なるやり方で大塚に新風を巻き起こし、新たな層を呼び込んでいる。
2021年10月に東京大塚のれん街の小さな駐車場で開催されたビアフェスNorth Tokyo Oktobafestには2日間で外国人や若者中心に2500人以上が集まり、これまで演歌的なイメージのあった大塚の変化を見せつけてくれた。
一般にこうした若い人と重鎮は敵対しがちだが、大塚では仲良くまではしていないものの、共存していると2015年に託児所機能付きの会員制コワーキングスペースをオープンさせたRYOZAN PARKの竹沢徳剛氏は言う。
「若者、重鎮、どちらか一方が重すぎるとシーソーが動かなくなるように街も低迷する。多くの街が停滞しているのは中高年の男性ばかりでやろうとするから。その点、大塚は寛容で自分と異なるやり方も受け入れようとする素地があるように思います」。
竹沢氏も地元の4代目で、若者、起業家、副業家などを集めるシェアハウスなどに加え、100%英語保育が受けられる認可外保育園を経営する。こうした施設も地域に国籍、年齢、性別などを問わず、多様な人たちを呼び込む契機になっている。
都心部と違い、働く場近くに住んで子育てできるのが大塚の魅力であり、それが街に新たな人を呼び込み、街を面白くしているというのだ。実際、大塚では外国人オーナーが経営する飲食店が増加中で、街全体にインターナショナルな雰囲気が加わりつつある。
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